2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄をソースとしたあらゆる硬組織再生へのアプローチ
Project/Area Number |
18592091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 理史 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10284217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 正宏 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00294570)
完山 学 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 講師 (90294420)
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Keywords | 歯髄 / 再生医療 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本年度はラット歯髄から細胞を採取し、その形態学的観察と骨分化および脂肪分化能についての検討を行った。 ・ラットの犬歯相当歯からの歯髄の採取 ラット歯牙より無菌的に歯髄を採取し、トリプシン・コラゲナーゼにて酵素処理し細胞を分散後プラスチック培養皿へ播種した。 ・初代歯髄細胞の培養と観察 歯髄細胞中には形態的に非常に異なる細胞が散在しており、上皮様の細胞も散見された。この上皮様の細胞は1回継代培養することでほとんど消失し、間葉系の細胞が主を占めるようになった。 ・採取した細胞の骨分化誘導試験 上記で回収した細胞を骨誘導倍地にて骨分化誘導し、その石灰化状態をアリザリンレッド染色にて検討した。その結果、骨分化開始後10日後で石灰化ノドゥールの形成が始まり、13日後にはアリザリンレッド染色に強染した。 ・採取した細胞の脂肪への分化誘導 上記で回収した細胞を脂肪誘導培地にて脂肪分化誘導し、油滴の形成状態をオイルレッドO染色にて確認した。その結果、骨分化開始後10日後で油滴の形成が始まり、13日後にはオイルレッドO染色に強染した。以上のことから歯髄細胞には少なくとも骨と脂肪細胞への多分化能があることが示された。 このようなデータの結果を踏まえ、最終年度となる来年度は歯髄中の種々の細胞を表面抗原の違いにて分離し、個々の細胞の持つ骨分化能についてさらに検討を進めたい。
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