2006 Fiscal Year Annual Research Report
全部床義歯の動態解析に基づく顎堤形態の客観的・実用的な新しい診断法の開発
Project/Area Number |
18592107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高山 芳幸 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (30236369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 正恭 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (00133752)
水野 健太郎 北海道大学, 北海道大学病院, 医員 (50374541)
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Keywords | 無菌顎顎堤 / 顎堤形態の診断 / 3次元形状計測 / 有限要素法 / 主成分分析 / 全部床義歯 / 義歯の動揺 |
Research Abstract |
本年度は,まず上顎について,3次元形状計測により得られた表面形状から有限要素モデルを半自動的に作成するためのソフトウェアを開発した.また,無歯顎顎堤および蝋義歯の表面形状データの収集を行った.また,研究遂行の過程で義歯の動態を解析する際の荷重条件についての検討が必要と考えられた. 開発したソフトウェアには,要素分割を規格化した有限要素モデルの構築の他,規格化した顎堤の形状について,各節点の座標値を統計処理ソフトに取り込める形式で保存する機能を付加した. 現在蓄積された症例は,上下無歯顎と下顎のみ無歯顎の症例がそれぞれ約40症例弱,上顎のみ無歯顎10症例であり,上顎約50,下顎約70症例となっている.症例数が特に上顎で研究開始当初の見込みよりもかなり少なく,本研究の遂行にはまだ若干不十分と考えられるため,今後も当面は症例の蓄積を続行する予定である. 荷重条件については,研究代表者らが従来主に用いていた両側臼歯部への均等荷重(両側荷重)の他,片側の人工臼歯部への荷重(片側荷重)についても解析を行い,両者を併せて主成分分析を行った.両側荷重ではデータの分散の80%を3主成分で説明することが可能であったが,片側荷重による解析結果を加えて主成分分析を行うと,データの77%を説明するのに6主成分が必要と考えられた.また,各主成分は両側荷重と片側荷重の各々のいずれかに属すると考えられた.このことから,義歯の動態から顎堤形態を総合的に評価するためには,荷重条件の取捨選択について再検討する必要があると考えられた.このため,顎堤を評価するのに必要十分な荷重条件の組み合わせについて,現在検討中である.
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