2007 Fiscal Year Annual Research Report
形態付与性を具備したOCP-コラーゲン複合体を用いた三次元的骨造成に関する検討
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18592111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川田 哲男 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (80292225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80224640)
小山 重人 東北大学, 病院, 准教授 (10225089)
羽鳥 弘毅 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40372320)
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Keywords | リン酸オクタカルシウム / OCP-コラーゲン複合体 / 三次元的骨造成 / 骨再生材料 / 形態付与性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、形態付与性を具備する OCP-コラーゲン複合体の吸収性、骨形成能の最適化を図り、さらに本材料を三次元的に任意の形態に成形する方法を動物実験において確立することである。これは言い換えると、吸収が少なく速やかに骨に置換するため、理想形態を作ることが可能な骨再生材料を用いて、顎骨を必要な形態かつ三次元的に骨造成・再建する方法を開発することである。 昨年度は、3mm厚のOCP-コラーゲン複合体をラットの骨上骨膜下に埋入したところ、骨欠損内では旺盛な骨形成を示したが、骨膜下では吸収されるという結果を得た。今年度は、骨形成のための至適埋入量を検討するため、同手法を用いて1mm厚の試料を埋入し、生体内におけるOCPの転換、組織学的評価、組織形態計測、酒石酸耐性酸フォスファターゼによる多核巨細胞の観察を行った。その結果、3mm厚の試料は大きく吸収されたが、1mm厚の試料では厚さを保ったまま、骨形成が認められた。これは、OCP-コラーゲン複合体の生体内吸収と骨形成が、骨膜からのストレスの影響を受けるためと考えられ、興味深い結果である。 また、理想とする三次元的形状を付与したOCP-コラーゲン複合体を作製するため、顎骨をCT撮影し骨形態を三次元的に再構築し、理想的な顎骨形態を決定する手法の確立が必要となるが、今年度はその基礎的研究として、インプラントオーバーデンチャー患者の口腔内実測荷重値を用いて、最大咬みしめ時のインプラント周囲顎骨における応力分布様相に関して有限要素法を用いた検討を行った。これによりインプラント周囲骨代謝に影響を与えるであろう側方力の分布領域の予測が可能となり、理想とする顎骨形態の決定への応用が期待できる結果となった。 今後は三次元的形態構築に焦点を移し、理想とするOCP-コラーゲン複合体の作製およびin vivoでの評価を行う予定である。
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Research Products
(4 results)