2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合性ポリマーを適用した細胞接着性制御型インプラントの開発
Project/Area Number |
18592112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
富塚 健 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (80251297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助手 (20302698)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (90280990)
石原 一彦 東京大学, 工学部, 教授 (90193341)
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Keywords | 生体適合性 / MPCポリマー / チタン合金 / 細胞接着 |
Research Abstract |
リン脂質極性基を有するMPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)を成分とするポリマー(以下MPCポリマー、とする)を材料の表面にコーティングすることにより細胞やタンパク質の接着、吸着を抑制する効果が発揮されることが明らかになっている。歯科用インプラント体への細胞接着性を制御して、より長期にかつ確実にインプラントを生体内で機能させることを目的として、MPCポリマーのインプラント体への応用の可能性を検討した。18年度はマウス未分化間葉系幹細胞株C3H10T1/2のチタンプレートへの接着抑制にMPCポリマーが効果を発揮するかどうかについて調べたところ、金属であるチタンプレート上でもその効果が発揮されること、また、MPCポリマーとの共重合体の種類によってその効果に違いがあることが判明した。この結果を踏まえて、18年度繰越期間中はこのうち最もよく効果を発揮したPMB(共重合体:ブチルメタクリレート)を用いて、市販のインプラント体と同様のチタン合金(Ti-6Al-4V)や表面性状(Tiプラズマコーティング、陽極酸化処理)のプレートに対する細胞接着抑制効果を検討した。その結果、チタン合金、陽極酸化処理に対してもMPCポリマーによる細胞接着抑制効果が認められた。ただし、濃度による抑制効果については明らかな傾向は見出せなかった。今後、濃度による効果の違いをさらに検討し、インプラント周囲の各種細胞の動態を明らかにすることはインプラントの長期予後をより確実にし得ると考えられる。
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