2006 Fiscal Year Annual Research Report
極性交互交換低電圧電解法によるバイオマテリアルナノ粒子の創製
Project/Area Number |
18592116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大川 成剛 新潟大学, 医歯学系, 助手 (80143791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 貢 新潟大学, 医歯学系, 助手 (40177499)
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Keywords | ナノ材料 / リン酸カルシウム / チタン / 陽極酸化 |
Research Abstract |
1.研究目的 極性交互交換低電圧電解法により,チタン表面にバイオマテリアルナノ粒子を創製することである. 2.実験方法 (1)チタン試料の作製と鏡面研磨:直径16mm,高さ5mmのチタン試料を自動研磨機にて鏡面研磨した. (2)電解処理:pH2のリン酸水溶液にハイドロキシアパタイト(HAP)を溶解し,試料と白金電極をパフ布でサンドイッチし,電流密度0.1A/cm^2の条件で直流を600秒間印加した.その際,60秒毎に極性を交互に交換した.水溶液の温度は37℃に保った.通電後,蒸留水中で試料を超音波洗浄した.同様にpH3についてもおこなった.これらの試料をそれぞれpH2,pH3と呼ぶ. (3)試料をX線マイクロアナライザー(EPMA),プローブ顕微鏡(SPM),フェリー変換赤外分光(FTIR)およびX線光電子分析(XPS)を用いて分析した. 3.研究成果 (1)EPMA : pH2と3の両試料において,Pと0が分析域全体から検出されたが,Caは高濃度の部位と,ほぼバックグランドレベルの部位とがあった.極性交互交換低電圧電解法では,Pが酸化皮膜に導入された部位で,Caが高濃度となりリン酸カルシウムが析出した. (2)SPM : pH2では直径126±24nmの粒子状,pH3では直径2,240±250nmの円盤状であった. (3)FTIR : pH2と3のFTIRスペクトルは,それぞれリン酸水素カルシウム二水和物(DCPD)とHAPのそれに一致した. (4)XPS : Ca/Pモル比はpH2では0.92,pH3では1.31であった.両試料ともCa欠損の組成であった. 以上の結果から,極性交互交換低電圧電解法により,チタン表面にDCPDのナノ粒子を創製することができた.
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Research Products
(2 results)