2007 Fiscal Year Annual Research Report
極性交互交換低電圧電解法によるバイオマテリアルナノ粒子の創製
Project/Area Number |
18592116
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大川 成剛 Niigata University, 医歯学系, 助教 (80143791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 貢 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40177499)
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Keywords | 生体材料 / ナノ粒子 / リン酸カルシウム / バルブメタル / 陽極酸化 |
Research Abstract |
生体親和性に優れるTi,Ta,Nb,Zrのバルブメタル上に,リン酸カルシウム化合物のナノ粒子を創製する目的で,リン酸水溶液にハイドロキシアパタイト(HAP)を飽和させた電解液中で,バルブメタルを電極として,その極性を交互に反転させながら20VDCの低電圧で電解した.電解条件とバルブメタル上に析出したリン酸カルシウム化合物のキャラクタリーゼーションを検討した.その結果,pH3の電解液中で電解すると,TiとTaではHAPが,ZrではHAPとモネタイトが,NbではHAPとモネタイトおよびブルシャイトのナノ粒子が析出した.結晶相は,電極近傍のOH^-の濃度と電解液中に存在するリン酸種に依存すると考えられる.TiとTaにHAPが析出した理由は,電解により電極近傍のOH^-の濃度が高くなり,しかも,電解液中にはリン酸種としてHPO_4^<2->が高濃度に存在するためと思われる.低いOH^-の濃度では,ブルシャイトやモネタイトの両結晶が析出しやすいと思われる.析出したナノ粒子の形態は次のようであった.Tiでは約2μmの円盤状,六角柱状の結晶が集積していた.Zrでは,長径約200nmの楕円状と約100nmの細長い粒子の集合体であった.Nbでは,約50nmの粒子の集合体であった.Taでは,約50nmのブロック状粒子が積層した状態であった.結晶の形態は,下地金属の結晶方位と陽極酸化によって生成した酸化被膜の性状の違いに依存すると思われる.また,XPSの分析結果から,バルブメタルの酸化被膜中にp^<3+>,または,リン酸イオンが取り込まれていた.これは,極性交互交換による低電圧電解法が,ナノ粒子のリン酸カルシウム化合物が析出しやすい表面特性を創製することを示唆している.
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Research Products
(1 results)