2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨梁をシミュレートした三次元有限要素モデルはインプラント失敗の機構を明らかにする
Project/Area Number |
18592117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 修 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018429)
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
江尻 貞一 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (40160361)
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Keywords | インプラント / μCT / 3次元有限要素モデル |
Research Abstract |
本研究は,インプラント失敗の大きな原因の一つである過大な負担によるインプラント-骨界面の広範囲にわたる骨吸収現象を三次元有限要素(3D-FEM)解析によって予測する事を目的とする.本年度は,インプラントを植立したヒト顎骨のμCTデータから骨梁構造をシミュレートした「精密骨梁モデル」を作製するとともに,骨梁を無視した従来型の「単純均質モデル」も作製し,3D-FEM解析を試みた. μCT装置(Elescan,日鉄エレックス)を用い,スクリュー型のチタンインプラントおよびアバットメントを植立させたヒトの下顎骨標本を,X線がインプラントの長軸を横断する方向で,80kV100mAの条件にて撮影した.このμCTデータ(スライス枚数173枚,スライス間隔83μ)を原画像とし,FEM解析用64bitワークステーション(DELL Precision 490)および三次元骨梁構造計測ソフト(TRI/3D-Bon, RATOC)を用いて三次元画像を再構築し,二値化によって皮質骨,海綿骨,インプラントおよびアバットメント各部を抽出した.その後、TRI/3D-FEMシリーズの解析用ソフトを用いてそれぞれの材質の物性値を定義し、「精密骨梁モデル」を作製した.一方,「精密骨梁モデル」との比較を行うために「単純均質モデル」は原画像の海綿骨部をすべて均質な等方性材料で置換した.次に,これらのモデルの要素分割を試みたが,インプラントと骨の界面にわずかなアーチファクトが発生して,界面近傍の正確な要素分割が困難であった.このアーチファクトは,インプランートおよびアバットメントによるX線の散乱等に起因していると考えられるので,現在,μCT撮影条件の改善,解析用ソフトの改良,アバットメント材質の検討を行っているところである.
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Research Products
(1 results)