2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨梁をシミュレートした三次元有限要素モデルはインプラント失敗の機構を明らかにする
Project/Area Number |
18592117
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
STEGAROIU Roxana Niigata University, 医歯学系, 准教授 (10303140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
黒川 孝一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60215085)
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Keywords | インプラント / μCT / 3次元有限要素モデル |
Research Abstract |
本研究は、インプラント失敗の大きな原因の一つである過大な負担によるインプラント-骨界面の広範囲にわたる骨吸収現象を三次元有限要素解析によって予測する事を目的としている.平成20年度はマイクロCTから得られた画像をべースに骨梁構造をシミュレートした「精密骨梁モデル」を構築し、インプラント上部にあるアバットメントに垂直に200Nの荷重を加え、三次元有限要素解析を行い、骨における最大主ひずみ・最小主ひずみを測定した。インプラント周囲骨において最小主ひずみが骨梁密度の低い部位や皮質骨が薄い部位などの広い範囲に分布した。この結果は、以前に得られたVon Mises応力分布結果と併せて力学的視点から検討すると、インプラント-骨界面の広範囲にわたる骨吸収現象は過大な咬合力に起因した応力・ひずみによるものと考えられる。従って、インプラント臨床では、それらの骨応力・骨ひずみの軽減が期待できるインプラント寸法と形態および上部構造の種類、形態等を選択する重要性が力学的に裏付けられた。 さらに、解析時間や費用の軽減を計り,大型モデルの研究を容易にするために,「精密骨梁モデル」に力学的挙動が等価な「中間モデル」との検討を進めた。検討内容は、平成19年度に構築した「中間モデル」(「精密骨梁モデル」の海綿骨部を均質な異方性材料で置換したもの)と「精密骨梁モデル」とに同荷重条件を与え、主ひずみを求め、解析結果をモデル間で比較した。その結果、皮質骨においては両モデルは力学的挙動が等価であるものの、海綿骨においては「中間モデル」が「精密骨梁モデル」の第一近似に留まることが明らかになった。従って、今後の応力解析の研究基準として、皮質骨の応力・ひずみを求めている場合は「中間モデル」を用いることができるが、海綿骨における結果を求める場合は、「精密骨梁モデル」が最初に選択されるモデルであると考えられる。
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Research Products
(2 results)