2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592126
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 比呂司 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40229993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞森 紳丞 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40187167)
洪 光 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70363083)
浜田 泰三 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50034244)
山邉 芳久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90191379)
鳥巣 哲朗 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80264258)
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Keywords | 粘膜調整材 / ドライマウス / 粘弾性 / 義歯安定剤 / エタノール / 口腔保湿ジェル |
Research Abstract |
65歳以上の高齢者では約56%がいわゆるドライマウス(口腔乾燥症)を自覚し、口渇感、咽頭部の乾きや口腔内の粘着感、口内炎、会話障害などを訴え、摂食・嚥下障害や義歯の装着を困難にしている。また高齢義歯装着者では顎堤が高度に吸収し、義歯床下粘膜の被圧縮性が低下していることが多く認められ、ドライマウスを有する患者では床下粘膜に潰瘍や発赤を生じやすい。そのため、通常の床用レジンを用いても、唾液量の不足による義歯の維持・安定不良および咀嚼時の疼痛のため、臨床的に満足のいく結果が得られない症例が多い。このような難症例患者の治療には、粘弾性的性質を有する粘膜調整材により床下粘膜に生じた病変や歪を正常な状態に回復し、その後の処置に移行することが不可欠である。本研究では、ドライマウスを有する患者に有効な保湿性粘膜調整材を開発することを目的とする。 平成19年度は、粘膜調整材の吸水量、溶解量および石膏との適合性についての研究を行った。結果の一部はDental Materials Journalに掲載予定である。また加熱重合型、常温重合型アクリル系リライン材の組成と各種理工学的性質との関係についても検討し、それらの研究成果を学会で発表し、現在論文を準備中である。本材の評価には硬化後の物性のほか、粘度の評価も重要である。昨年度、音叉型振動式粘度計による粘度の評価方法を確立し、本年度は口腔保湿ジェルおよび粘度の比較的低い義歯安定剤の粘度の評価を行った。また最終的には試作粘膜調整材の臨床試験を行う予定であるが、本評価に有用な顎機能の評価方法も確立し、結果をJournal of Oral Rehabilitationに発表した。これまで行った実験結果をもとに粘膜調整材の適切な組成を決定した。現在、この試作した粘膜調整材に種々の保湿材を添加し、理工学的性質について検討を行っているところである。
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Research Products
(18 results)