2006 Fiscal Year Annual Research Report
強度と機能を兼ね備えた生体材料用チタンの開発と解析
Project/Area Number |
18592143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
李 元植 昭和大学, 歯学部, 助手 (40276605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 陽 昭和大学, 歯学部, 助手 (30327936)
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Keywords | チタン / プラズマ焼結 / 疲労試験 |
Research Abstract |
チタンは生体親和性に優れた材料であるが、工業材のような金属塊ではなく、特殊な立体構造としてより優れた特性を得る研究の中で、実現可能な方法としてチタン粒子の焼結による多孔質焼結体の試作を行っている。多孔質化により(1)組織誘導性の向上、(2)見かけ弾性率の低下(骨との類似化)、(3)生体アクチベータの担体化としての可能性が見込める。 今までの研究により、プラズマ放電焼結法を用いて直径数百μmのチタン粒子表面にパラジウム微粉末を付着させた状態で焼結を行い、焼結反応の途中で加熱を止めてポーラス化させた焼結体は、工業用チタン板材と同等の引張強度が得られている。 得られた焼結体は粒子の接合面はチタンとパラジウムの金属間化合物(TiPd、Ti_2Pd)である。よって、静的機械的試験においては硬い金属間化合物の層によって強度を得られていると考えられる。 実際に生体材料として使用するためには疲労特性についても考察する必要があるため、試験片把持部をバルク材とのTIG溶接により調整した試験片を用いて繰り返し荷重を与えて評価した。焼結時間を長くし完全焼結に近づく程、チタン粒子の接合部にてパラジウムは広範囲に層状に拡散し金属間化合物を形成する。そして静的機械的試験ではチタン粒子の塑性変形にて破断したが、疲労試験ではパラジウムの拡散層より亀裂が伸展して破断した。 また疲労特性のみで言えば、必ずしも完全焼結に近い方が特性的に優れるわけではなかった。 次年度はそのような知見の基にミクロ的構造・マクロ的構造を決定させた生体材料の設計を行う。
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