2007 Fiscal Year Annual Research Report
強度と機能を兼ね備えた生体材料用チタンの開発と解析
Project/Area Number |
18592143
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
李 元植 Showa University, 歯学部, 助教 (40276605)
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Keywords | チタン / 焼結体 / 多孔質 / 生体材料 / 機械的強度 / インプラント |
Research Abstract |
前年度に引き続き、硬組織生体材料応用に向けた多孔質チタン焼結体の製作を行った。 ポロシティを大きく獲るために原材料をチタン粉末から裁断したチタン細線に代え、放電プラズマ焼結法による焼結体試作を行い、機械的特性の検討を行った。引張試験において、JIS2種板材相等の機械的強度を有することを確認した。しかしならが、塑性変形域は板材よりも狭かった。ポロシティの大きなチタン焼結体は生体活性物質の担体として有用であると予想されるが、単一構造では使用期間が長くなった際の疲労破壊が懸念された。そこで生体と接する部分を多孔質、深部は充実材とした複合構造の焼結体の試作を行った。 実験として歯科用インプラントフィクスチャーを試作例とした。芯部をチタン丸棒とし、それを取り囲むようにチタン細線を配置して焼結によって多孔質焼結体生成と同時に芯材との接合を行った。焼結後概形成を行い、ワイヤ放電加工機によって精密加工を行いフィクスチャーを完成させた。 市販インプラント植立ツールを用い、模擬骨への植立を試みた。操作性は市販インプラント同等であり、植立後の試作インプラントの破損は認められなかった。プラズマ放電焼結法を応用した複合化により、従来の充実材相当の機械的強度を確保しつつ付加価値を備えた硬組織生体材料としての可能性を明らかにした。
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