2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592148
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 義英 The Nippon Dental University, 新潟生命歯科学部, 講師 (20287775)
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Keywords | 咀嚼 / 嚥下 / 摂食 / 飲水 / 赤核 |
Research Abstract |
赤核の化学的破壊が咀嚼、摂食・飲水行動に及ぼす影響 咀嚼、摂食・飲水行動における赤核の役割を明らかにするために、赤核片側破壊がこれらに、どのような影響を及ぼすか検索した。摂食量はペレットフィーダや実験動物特殊飼料などを用いて計測した。飲水量は飲水ドリンクセンサなどにて水滴落下を検出し計測した。左側赤核にカイニン酸(破壊群)か生理食塩水(対照群)を注入した。そして赤核破壊群と対照群の手術5日前から手術後10日までの摂食量、飲水量、餌を溢す量、体重の変化を解析した。 破壊前、摂食量、飲水量、餌を溢す量、体重の変化は両群において差はなかった。手術1日後と2日後は、破壊群は対照群に比べ摂食量が有意に減少した。破壊群のラットは餌を口の中に入れ、数回噛んだのち、餌を溢してしまう量が著しく増大した。餌を溢してししまう量は、手術3日後、7日後、9日後と10日後におてい、対照群に比べ有意差が見られた。また手術1日後と2日後は、破壊群は対照群に比べ飲水量が有意に減少した。体重は手術1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後と8日後において、対照群に比べ有意に少なかった。しかし赤核破壊後も餌を取り食べようとする行動は影響を受けなかった。これらのことから、赤核の破壊により、顎・顔面・舌運動や口腔・顔面感覚に障害が起こり、摂食量の減少が生じたことが示唆された。そして赤核は顎・顔面・舌運動の協調運動に関与し、咀嚼の調節に働いていることが示唆された。
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