2006 Fiscal Year Annual Research Report
レジンセメント接着システムの破壊プロセスの直接観察
Project/Area Number |
18592155
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
飯島 まゆみ 朝日大学, 歯学部, 助手 (80164838)
|
Keywords | 歯科材料 / セラミックス / レジンセメント / 接着 / 破壊プロセス |
Research Abstract |
オールセラミックス修復物の中でも高い光透過性を有するEmpress 2システムは,優れた審美性を発揮し,臨床において高い評価を得ている。Empress 2システムではコア材を圧入後,レイヤリング法により陶材を繰り返し焼成する。しかしこれらの熱処理がレジンセメントとの接着性に与える影響は明らかにされていない。そこで平成18年度では,圧入後の繰り返し焼成がEmpress 2コア材とレジンセメントシステム(Variolink II)との接着性に与える影響をマイクロテンサイル接着試験から評価した。 コア材(8×8×11mm)を圧入後,圧入方向に平行な面を研磨(SiC,4000番)して被着面とし,Empress 2 Eris陶材の焼成スケジュールに従って4回焼成を繰り返した。比較として未焼成のコア材も同様に研磨した。被着面を酸処理(5%HF,20秒),シラン処理(Monobond-S),ボンディング剤(Heliobond)とレジンセメント(Variolink II)を塗布し,加圧(0.2MPa)して4方向から各40秒間光照射して2個のコア材を接着した。接着試料は37℃蒸留水中に1週間保存し,接着面積が1mm×1mmの角柱試料を切り出した。マイクロテンサイル接着試験は接着試料をステンレス製ホルダーに固定し,万能試験機を用いて引張り(1mm/min),破断時の最大荷重から接着強さを求めた。また,接着強さのワイブル統計処理も併せて行った。 接着強さの平均値は未焼成では41.5MPa(SD:13.0),4回焼成した場合では39.1MPa(SD:14.1)が得られ,平均値には有意差は認められなかった。一方接着強さのワイブルプロットでは,4回焼成した場合,低強度側と高強度側で破壊のモードが変化していることが示唆された。すなわち,コア材の繰り返し焼成は,接着の信頼性を考える上で重要である分布の低強度側で,レジンセメントとの接着性に影響を与えることが分かった。
|
Research Products
(1 results)