2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯の喪失はアルツハイマー型認知症の危険因子か?マイクロダイアリシス法による検討
Project/Area Number |
18592160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 宏 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 泰司 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20205800)
前田 照太 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (10103110)
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Keywords | 歯学 / 神経科学 / 脳・神経 / 痴呆 |
Research Abstract |
1,方法 SD系雄性ラットを用いた.5週齢で上顎臼歯をすべて抜歯した抜歯群,抜歯時と同量の麻酔を施した対照群の2群とした.6週齢ですべてのラットにガイドカニューレ植入術を行い,7週齢で受動的回避実験時の反応潜時と海馬グルタミン酸(以下Glu)変動を測定した. (1).受動的回避実験 ドアによって仕切られた明室と暗室の2室からなるステップスルー型受動的回避実験装置を使用した.訓練試行では,ラットを明室に入れ90秒後にドアを開き,ラットが暗室に入った直後にドアを閉じ,0.5mA1.5秒間のフットショックを与え,暗室から取り出した.その際にラットが明室から暗室に入るまでの時間(反応潜時)を測定し,飼育ケージに戻した.24時間後,再生試行として獲得試行と同様の手続きで反応潜時を測定した.また,再生試行での最大潜時は300秒とし,暗室に入らないラットの潜時は300秒とした.獲得試行および再生試行時の反応潜時を両群間で比較した. (2).海馬Glu測定 6週齢でガイドカニューレを右側海馬に植入して固定した.埋入位置は,Bregmaから3.8mm後方,2mm側方,下端が硬膜から2.5mmの位置に埋入した.1週間の回復期間の後ガイドカニューレにバイオセンサーを挿入し60分以上の安定期間の後.Glu量を測定した. 獲得試行および再生試行開始直前10分間と,開始直後10分間とのGlu増加率を両群間で比較した. 2.結果と考察 (1).反応潜時は両辞ともに再生試行では獲得試行に比べ有意に延長したが,再生試行において抜歯群は対照群に比べ有意に短縮していた. (2).Glu増加率は両試行において,抜歯群は対照群に比べ有意に低かった. 以上のことから,臼歯喪失は学習・記憶障害をもたらす傾向がみられ,その試行過程での海馬Glu増加率は低いことが示唆された. 今後n数を増やし研究を進めていく予定である,
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Research Products
(2 results)