2006 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管内皮の細胞生物学的解析ー遺伝子標的治療へのアプローチ
Project/Area Number |
18592164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋田 京子 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (40399952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20162802)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00109456)
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
樋田 泰浩 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (30399919)
東野 史裕 北海道大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50301891)
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Keywords | 血管新生 / 腫瘍血管内皮 / 遺伝子標的治療 |
Research Abstract |
ヒト腎癌細胞OSRC2,ヒトロ腔がん細胞HSC3のヌードマウス皮下移植モデルから腫瘍血管内皮細胞の分離培養に成功した。マウスの腫瘍モデルから汎血管内皮マーカーを認識する抗CD31抗体と磁気ビーズを用いて腫瘍血管内皮細胞の分離、培養を行った。なお、ヒト腫瘍細胞の微量な混入はジフテリア毒素を用いて完全に除去した。なお、比較対象として、新たに正常マウスの皮膚から分離した正常皮膚血管内皮を用いた。分離された血管内皮はいずれもBS1-B4 lectinを用いたFACSにより99.6%以上の高い純度を示した。正常血管内皮細胞に比較して増殖が早く、bFGFに対する感受性も有意に高いことがわかった。また、VEGFに対する遊走能が高いこともわかった。 さらに、正常ならびに腫瘍血管内皮からtotal RNAを抽出して正常血管内皮に比較して有意に腫瘍血管内皮に発現の亢進しているmRNAを検討するために2回マイクロアレイを行うことができた。 2種の異なる腫瘍血管内皮に共通して正常血管内皮に比較して発現の亢進しているもの、さらに申請者らがすでに分離しているメラノーマとliposarcomaの腫瘍血管内皮もあわせて正常に比較して発現の亢進している遺伝子を汎腫瘍血管内皮特異マーカーとして今後応用性が高いものと考え現在解析中である。腫瘍血管内皮に10倍以上正常血管内皮に比較して発現が亢進しているものが53遺伝子あった。これらの遺伝子は腫瘍血管内皮特異マーカーとして細胞表面抗原であるものはワクチンなどの開発、分泌蛋白であれば新しい血清腫瘍マーカーとして遺伝子標的治療へ応用が期待できることから今後さらに解析する予定である。
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