2007 Fiscal Year Annual Research Report
Nanog遺伝子導入による間葉系細胞の高性能化と骨・軟骨再生医療への応用
Project/Area Number |
18592166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星 和人 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 講師 (30344451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30343122)
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Keywords | 骨軟骨 / 再生医療 / 幹細胞 |
Research Abstract |
口腔外科臨床において、腫瘍、外傷、先天奇形などによる高度の骨欠損の再建を行う場合、従来、自家骨移植が主要な治療法として選択されてきた。この方法は、多くの治療実績を有する優れた治療法であるが、必ず外科的侵襲を伴い、患者の負担は決して軽くはないという欠点がある。この欠点を解消し、低侵襲の医療を実現しうる新たな医療技術として、近年、組織再生医学が脚光を浴びている。本研究は、組織再生医学を口腔外科臨床に応用するため、Nanogを間葉系細胞に導入し、中に含まれる間葉系幹細胞の自己複製を促進させ、全体としての分化形質を向上させるための基礎研究を行うことを目的としている。本年度は、前年度からの続きとして、株化培養細胞へのNanog遺伝子導入と機能解析をおこなった。マウス株化細胞C3H10T1/2、MC3T3-E1、ATDC5などにNanog virus vectorまたはNanog RNAi virus vectorを導入し、細胞分化、増殖に与える効果を確認するとともに、クローン化細胞の作製を行い、Nanog導入または抑制効果を検討した。その結果、Nanogは細胞分化、特にその後期分化を促進することが確認された。Nanog遺伝子の作用機序の解析に関しては、Nanog遺伝子の作用機序を解析するため、Nanogシグナルの下流遺伝子を網羅的に検索した。その結果、Nanog遺伝子導入細胞と非導入細胞との間で、BMPやSTATなどの骨軟骨分化あるいはES細胞の自己複製に重要な遺伝子の発現変化が認められた。
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