2006 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸ペースメーカーニューロンによる舌運動脳幹内制御機構の解析
Project/Area Number |
18592175
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 英彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10324790)
|
Keywords | 脳・神経 / 神経生理 / 呼吸 / パッチクランプ |
Research Abstract |
呼吸性舌運動は呼吸中枢(pre-Botzinger Complex:pBC)を中心とした脳幹内神経ネットワークにより制御されているものと考えられる。そこで、本年度はpBCに存在する呼吸ペースメーカーニューロンならびに舌下神経へ呼吸情報を伝達する前運動ニューロン(ノンペースメーカーニューロン)について、細胞膜電位を脱分極させた際の発火特性の解明を試みた。研究には生後0日から3日の新生児ラットの脳幹スライスを用いた。まず、呼吸ペースメーカーニューロンならびにノンペースメーカーニューロンからパッチクランプの手法を用いてホールセル記録を行い、電気刺激による誘発活動電位のスパイク様相について検討した。さらに、pBC呼吸性ニューロン発火特性へのNa^+、K^+、Ca^<2+>チャネルの関わりについて、イオンチャネルブロッカー(TEA:膜電位依存性K^+チャネルブロッカー、Apamin:Ca^<2+>-activated K^+チャネルブロッカー、Riluzole:persistent N^+チャネルブロッカー、Cadmium:Ca^<2+>チャネルブロッカー)を投与した際の誘発活動電位スパイク様相の変化を解析することにより検討した。その結果、呼吸ペースメーカーニューロンはノンペースメーカーニューロンに比べて、誘発活動電位におけるmedium after-hyperpolarization(mAHP)の振幅が小さく、持続時間が短かいこと、また、刺激電流の大きさと誘発活動電位の発火頻度との関係について検討した結果、f-I gainが大きいことが明らかとなった。さらに、pBC呼吸性ニューロンの連続発火頻度は、膜電位依存性K^+チャネルならびにCa^<2+>-activated K^+チャネルを介したmAHP変化により制御されていること、また、連続発火様態はpersistent Na^+チャネルならびにCa^<2+>チャネルを介したf-I gain変化により制御されていることが示唆された。
|