2006 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナル伝達因子を標的とした口腔癌の分子標的診断・治療法の開発研究
Project/Area Number |
18592183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 雅史 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (30346506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
張 雁 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50332797)
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Keywords | 口腔癌 / 診断 / 治療法 / Wntシグナル伝達経路 / β-カテニン |
Research Abstract |
口腔癌の診断、治療法のめざましい進歩に関わらず、依然として口腔癌が致死的疾患として恐れられており、また顔面の病変であることからQOLに大きな支障を与えると考えられる。β-カテニンは癌遺伝子の一つと考えられているにも関わらず、口腔癌とWntシグナル伝達経路の関連の研究はほとんど進んでいない。我々は口腔癌およびWntシグナル伝達経路の研究を即座にできる準備があり、口腔癌の早期克服のために本研究を緊急に推進する必要があると考える。そこで、以下の検討を行った。 1.培養口腔癌細胞のβ-カテニンの細胞質や核への異常蓄積の検討。 培養扁平上皮癌細胞および培養唾液腺癌細胞のβ-カテニンを認識するための蛍光抗体でラベルし、電子顕微鏡で観察し、β-カテニンが細胞質や核へ異常蓄積しているか否か検索したところ、β-カテニンが細胞質や核へ異常蓄積しているもの、蓄積していないものいずれも存在した。 2.培養口腔癌細胞のβ-カテニンの遺伝子変異の検討。 培養扁平上皮癌細胞および培養唾液腺癌細胞のβ-カテニンのRNAを抽出し、PCR-SS CP法にてその遺伝子変異の有無を検索し、さらにdirect sequence法にての遺伝子変異を位置の決定を試みた。β-カテニンが細胞質や核へ異常蓄積している培養口腔癌細胞においては、β-カテニンの遺伝子変異の有るものとないものが存在した。またその領域はGSK3によってリン酸化される部位であった。 以上の結果を踏まえて来年度はβ-カテニンの細胞質や核へ異常蓄積により培養口腔癌細胞の増殖能、浸潤能の影響への検討を進めたい。
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