2008 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群患者の唾液腺における唾液分泌異常の解明
Project/Area Number |
18592186
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大山 順子 Kyushu University, 歯学研究院, 助教 (70294957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
藤井 潤 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60271441)
白砂 兼光 九州大学, 歯学研究院, 教授 (30093420)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 唾液分泌異常 / ドライマウス / 塩酸セビメリン |
Research Abstract |
シェーグレン症候群(SS)は初期症状として唾液腺や涙腺などの外分泌腺が特異的に障害される自己免疫疾患である。SS患者の唾液分泌能減少の第一の理由としては唾液腺組織の破壊が考えられるが、高度に唾液分泌が減少している症例でも唾液腺が全て破壊されているわけではないため唾液分泌をある程度認める症例もあり、逆に軽度のリンパ球の浸潤に加えてわずかに唾液腺の破壊が認められる症例でも唾液分泌量の減少が認められる症例も多数ある。従って唾液分泌量の減少はただ単に唾液腺組織の破壊だけによって生じるのではなく、その他の要因も関与していると考えられる。 SSの乾燥症状に対する治療にムスカリン受容体作動薬である塩酸セビメリンが使用されるようになり、有用性は確認してきたが、塩酸セビメリン内服で唾液分泌の増加が認められる症例と認められない症例がある事も明らかになってきた。唾液腺造影や口唇腺生検の結果唾液腺の破壊状態が軽度である症例で有意に塩酸セビメリン内服による唾液分泌量の増加が認められたが、唾液腺破壊が軽度でも効果が乏しい症例と唾液腺破壊が進行していても効果を認める症例も存在することが明らかとなった。研究代表者が確立した唾液腺炎モデルマウスから樹立した外分泌腺に反応する自己抗体(モノクロ)はヒトの唾液腺にも反応し、この抗体に対する抗原の分布が塩酸セビメリン内服の効果がある症例とない症例で異なっていることが免疫組織学的検索で示唆されたため、この抗原についての同定を行っているが、ヒト顎下稼を抗原として用いての抗原の同定が進んでおらず、現在ヒト唾液腺培養細胞を用いた同定等を試みており、最終年の実験に至る状態である。
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