2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生機序解明への新しい戦略-高気圧酸素負荷環境下における骨代謝について-
Project/Area Number |
18592187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 匡理 Kyushu University, 大学病院, 助教 (30346803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 泰孝 九州大学, 大学病院, 講師 (60205151)
白砂 兼光 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (30093420)
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Keywords | 骨再生 / 高気圧酸素負荷 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
高気圧酸素負荷の効果を細胞レベルで解明することを目的に、各種細胞株(RAW264.7(破骨細胞)、MC3T3-E1(骨芽細胞)、SaOS-2(骨肉腫細胞株))における細胞増殖能の解析(MTSアッセイ)を昨年度に追加して行った。RAW264.7、MC3T3-E1、SaOS-2を96穴プレートに1×10^4個播種し、37℃、5%CO_2気相下で一晩培養を行い、翌日から加圧チャンバー内で100%酸素を加えて2気圧とした状態で20分、40分、60分×各1回、60分×2回(2日間)、20分×3回(3日間)高気圧酸素負荷を行った。その後、37℃インキュベーターにて(1)1日、(2)3日培養を行い、MTSアッセイにて細胞増殖能を解析した。コントロールとして、37℃、5%CO_2気相下で培養したもの用いた。各細胞株についてコントロールを1として相対比で検討した結果、RAW264.7:(1)0.90〜1.13倍(2)0.95〜1.10倍、MC3T3-E1:(1)0.86〜1.04倍(2)0.91〜1.24倍、SaOS-2:(1)0.95〜1.08倍(2)1.03〜1.37倍と細胞株別での増殖能に有意差はみられなかった。しかしながら、すべての細胞株において60分×2回(2日間)高気圧酸素負荷を行ったもので、コントロールに比べて増殖能の上昇が認められた。今回の結果より、負荷時間および期間によって細胞増殖能に影響を及ぼす可能性が考えられた。次いで、高気圧酸素負荷による細胞の分化能に対する影響について解析を行った。MC3T3-E1を24穴プレートに1×10^4個播種し、37℃、5%CO_2、気相下で一晩培養を行い、翌日から加圧チャンバー内で100%酸素を加えて(1)1.3、(2)1.5、(3)2.0気圧とした状態で60分×5日間高気圧酸素負荷を行い、アルカリフォスファターゼ活性の測定を行った。各負荷圧での結果は(1)0.93、(2)0.91、(3)0.93倍であり、負荷圧によるアルカリフォスファターゼ活性に有意差はみられなかった。現在、RAW264.7での分化能(酒石酸耐性酸性フォスファターゼ活性)、またin vivoにおける高気圧酸素負荷環境下での骨形性能について解析中である。
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