2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生機序解明への新しい戦略ー高気圧酸素負荷環境下における骨代謝についてー
Project/Area Number |
18592187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 匡理 Kyushu University, 大学病院, 助教 (30346803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 泰孝 九州大学, 大学病院, 講師 (60205151)
白砂 兼光 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (30093420)
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Keywords | 骨再生 / 高気圧酸素負荷 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
高気圧酸素負荷の効果を細胞レベルで解明することを目的に、各種細胞株(RAW264.7(破骨細胞)、MC3T3-E1(骨芽細胞)における分化能の解析を行った。MC3T3-E1を10×10^4個播種し、BMP-2100ng/mlを加えて、37℃、5%CO_2、気相下で一晩培養を行い、翌日から加圧チャンバー内で100%酸素を加えて1.4気圧とした状態で(1)20分、(2)20分×7、(3)60分、(4)60分×3、(5)60分×5、(6)60分×7日間高気圧酸素負荷を行い、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性の測定を行った。各負荷時間での結果はコントロールに比して(1)1.03、(2)1.02、(3)0.97、(4)1.01、(5)0.99、(6)0.99倍であり、負荷時間によるALP活性に有意差はみられなかった。次いで、RAW264.7にRANKL25ng/ml、M-CSF25ng/mlを加えて同様に高気圧酸素負荷(1.4or2.0気圧下で(1)20分、(2)20分×7、(3)60分、(4)60分×3日間)を行い、酒石酸耐陛酸性フォスファターゼ(TRAP)活性の測定を行った。2.0気圧下では分化能には変化なかったが、1.4気圧下では(1)1.11、(2)1.35、(3)1.11、(4)1.39倍と負荷時間に比して有意な増加が認められた。 さらに、高気圧酸素負荷環境がmRNAに与える影響についでRT-PCR法を用いて解析を行った。MC3T3-E1にBMP-2100ng/mlを加えて、1.4気圧下で(1)20分、(2)60分、(3)60分×3、(4)60分×5、(5)60分×7日間培養を行い、RANKL、M-CSF、Osteopontin、TGF-β、BMP-2mRNA発現の解析を行った。RANKLmRNA発現においてのみ、高気圧酸負荷環境で発現量の減少がみられた。このことから、高気圧酸素負荷では骨芽細胞によるRANKLの発現を減少させることで、破骨細胞の調整を行っている可能性が考えられた。
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