2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉を応用した顎骨の炎症性骨破壊病変に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
18592188
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
窪田 泰孝 Kyushu University, 大学病院, 講師 (60205151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白砂 兼光 九州大学, 歯学研究院, 教授 (30093420)
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Keywords | RNA干渉 / 顎骨 / 骨吸収 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
顎骨破壊性病変である角化嚢胞性歯原性腫瘍の詳細な発育機構については未だ不明な点が多い。顎骨内での発育には病変周囲の骨吸収が不可欠であるが、骨吸収にはカテプシンやマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などの蛋白分解酵素の産生や破骨細胞の分化誘導と活性化が必要で、その制御に炎症性サイトカインの関与が示唆されている。本腫瘍では、炎症性サイトカインであるインターロイキン-1α(IL-1α)が強く発現している事を我々は明らかにしている。IL-1αは特異的受容体に結合することでその生理活性を示すが、その生理活性は、IL-1αのみならず受容体や受容体アンタゴニストの発現程度によって制御される。そこで、本腫瘍におけるIL-1α受容体や受容体アンタゴニストの発現を免疫組織化学的に検討した。その結果、本腫瘍の上皮細胞や上皮下線結合組織層の線維芽細胞はIL-1α受容体や受容体アンタゴニストを発現しているが、開窓術後はIL-1αのみならず受容体の発現強度が減じた。よて、開窓術後ではIL-1αの生理活性が減じると考えられた。また、本腫瘍上皮細胞は高い増殖活性を示すが、この活性はIL-1αを介して線維芽細胞からKeratinocyte growth factorが萌出され、腫瘍上皮細胞の増殖も制御している可能性を示した。さらに、本研究ではIL-1αの腫瘍を構成している角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞におけるCyclooxygenase(COX)-2mRNAの発現について検討を行った。その結果、IL-1αは線維芽細胞においてCOX-2の発現を高め、プロスタグランディンE_2(PGE_2)の産生を増し、そのPGE_2は線維芽細胞自身に作用して破骨細胞の分化誘導因子であるマクロファージコロニー刺激因子やreceptor activator of nuclear factor κB ligand(RANKL)の発現を間接的に増強させることが明らかとなった。また、角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞の細胞膜上にはカルシウム感受性受容体が発現しており、細胞外カルシウム濃度の上昇がそのカルシウム感受性受容体を刺激してCOX-2の発現を高めてPGE_2の産生を増強させることが判明した。この事より、骨吸収によって遊離したカルシウム自体が骨吸収をさらに増強させると考えられた。以上より、IL-1αが本腫瘍の骨破壊の初期において重要な役割を演じる事が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)