2007 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼・嚥下中の鼻呼吸-口呼吸の相互調節機構に関する研究
Project/Area Number |
18592189
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鮎瀬 てるみ Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00284703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 久美子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80134732)
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (20222705)
石坂 哲 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60419629)
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Keywords | 咀嚼機能 / 上気道 / オトガイ舌筋 / 性差 |
Research Abstract |
咀嚼・嚥下運動中に鼻呼吸と口呼吸の協調運動が極めて重要な要素であることが指摘されており、本研究では、鼻呼吸と口呼吸の相互調節機能の減少が、上気道が関与する各生理機能に影響を与えるという仮説のもとで、鼻腔内および軟口蓋・口蓋垂部の圧・化学受容器などの調節因子が鼻呼吸と口呼吸の協調に影響を与えるかを検討した。 初年度の18年度は、上気道の開通性の維持、嚥下機能の両方の機能維持に重要な役割を果たしている、オトガイ舌筋の筋活動性について検討した結果、陰圧負荷がオトガイ舌筋の筋活性を亢進し、上気道の開通性と嚥下機能の両方を増強することが分かった。 研究2年目の19年度は、上気道の開通性の維持、嚥下機能に極めて重要な役割を果たしている、オトガイ舌筋の反応性について、プロポフォールによる意識下鎮静法中の咽頭部の閉塞圧と鼻腔の吸気量の変化との相関を指標にして検討した。その結果、吸気時の一過性の呼吸負荷と軽度の炭酸ガス蓄積が、オトガイ舌筋の筋活動性を亢進し、上気道の開通性を改善するが、覚醒反応は必ずしも必須の要件ではないことが明らかになった。また、陰圧負荷により誘発される唾液の自然嚥下も覚醒反応を伴わない場合があることが分かった。また、プロポフォールの意識下鎮静法中の、オトガイ舌筋の筋活動性の亢進による咽頭部の閉塞圧の変化と覚醒反応の閾値に、性別の差が存在する可能性も分かった。この結果は、現在、J.Appl.Physiol.に投稿中である。また、これまでの結果から、(1)睡眠中の覚醒反応を伴わない自然嚥下が何故起こるのか、(1)性別の差があるとすれば、性ホルモンなどの因子が関与しているのか,など極めて重要な検討事項が明らかになった。
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Research Products
(1 results)