2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
樋口 安典 大分大学, 先端医工学研究センター, 教授 (60040284)
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Keywords | 癌転移 / オステオポンチン / トランスジェニックマウス / リコンビナント蛋白 / ペプチド / 癌浸潤 / メラノーマ細胞 |
Research Abstract |
我々はオステオポンチン(OPN)の遺伝子をクローニングし、その構造を明らかにした。機能解析により、OPNは主として骨吸収を促進する因子として骨リモデリングに深く関与していることがわかってきた。また、OPNは破骨細胞表面のCD44発現を促し、破骨細胞数を増加させる事が明らかとなった。いっぽう、癌細胞が顎骨に浸潤する際にも破骨細胞が活性化されて骨吸収が生じ、OPNの関与が示唆されているが詳細については明らかにされていない。 今回われわれはOPNを過剰発現するトランスジェニック(OPN-TG)マウスを作成した、これを用いてOPNにより活性化した破骨細胞が癌細胞の顎骨への浸潤様式にどのように関与するか検討した。さらに、OPNにはRGD配列、Thrombin Cleavage site、Ca Binding site、など機能的に多彩なドメインを持っており、これら各ドメインがいかに癌細胞や破骨細胞と関わっているか調べることで癌浸潤、転移への関与を解析できる。 1.OPN-TGマウスにおける癌の骨浸潤および転移の解明 (1)マウスメラノーマ細胞株をOPN-TGマウスおよび野生型マウスの下顎歯肉および皮下に移植、あるいは静注して癌細胞の増殖や転移に差異があるかを検討した。その結果、皮下に移植した細胞増殖スピードに差異は認められなかったが、肺転移の抑制がOPN-TGマウスに認められた。 (2)マウスメラノーマ細胞株を下顎中切歯問に移植し、セメント質、象牙質への浸潤を検索したが、野生型、OPN-TGマウス共に浸潤を認めず、差異が見られなかった。 (3)quantitative computed tomography(QCT)法で骨密度を測定すると、OPN-TGマウスに早期に骨密度の低下を認め、骨粗鬆症のモデルマウスになる可能性を示唆した。 2.OPNの各種リコンビナント蛋白作製 (1)全長およびGRGDS配列を含むリコンビナント蛋白の作製とGRGDS配列をはじめいくつかの機能部位と考えられるペプチドを合成した。 (2)リコンビナント蛋白、および合成ペプチドのin vivo効果を検討するとGRGDS配列を有するペプチドに癌転移抑制効果を認めた。
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