2007 Fiscal Year Annual Research Report
メトキシフェノール関連化合物による転写因子活性化調節作用を探る
Project/Area Number |
18592197
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
村上 幸生 Meikai University, 歯学部, 講師 (00286014)
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Keywords | メトキシフェノール化合物 / 転写因子 / 天然植物性フェノール / COX-2 / フェノール作用 / P.gingivalis線毛 / ο-Vanillin / curcumin |
Research Abstract |
優れた抗酸化剤であり香料、食品、化粧品、医薬品として広く応用されている天然の植物性フェノール関連化合物は抗炎症作用や、口腔前癌病変の発癌予防効果を示すことが知られているが、これら単量体は自動酸化しアレルギーや炎症反応などの生体為害反応を引き起こす。この自動酸化はその構造特異性に基づくフェノール性OHからの水素原子の引き抜きに関連していることが明らかになった。水素原子が引き抜かれにくい構造を持つメトキシフェノール二量体化合物を合成し生理活性を調べたところ、これらの化合物は著明な低細胞障害性と高抗酸化活性、炎症性サイトカインやcyclooxygenase(COX)-2発現の抑制作用を有することが判明した。この結果はこれらのフェノール関連化合物がredox-sensitiveなNF-κB、AP-1などの多くの転写因子の活性化をnegativeに調節し、炎症や前癌病変の予防剤として有用であることを示唆した。ゆえに、今年度の研究で植物フェノールであるο-vanilin、guaiacol、curcuminとその修飾体であるtetrahydrocurcuminを使用して転写因子の活性化とその後の炎症性サイトカイン発現やCOX-2発現の調節作用について検討した。刺激物はEscherichia coli0-111B4由来LPS(LBL社)およびPorphyromonas gingivalis線毛を使用した。本線毛は菌体洗浄法にて精製した。ο-Vanilin、guaiacol、curcumiu(各和光純薬社)、tetrahydrocurcmin(単量体から合成)を使用した。NF-κB活性化はElectro mobility shift法とWestern blot法で検討した。COX-2遺伝子発現はNorthern blot法で検討した。線毛刺激NF-κBの活性化とCOX-2発現はο-Vanilinで著明に抑制されたがguaiacolでは抑制されなかった。一方、curcuminも線毛刺激NF-κBの活性化とCOX-2発現を抑制したがtetrahydrocurcuminは抑制しない知見を得た。また、ο-vanilinとcurcuminは中等度のフェノール性OH基解離エンタルピー(BDE)を持っていた。今年度の研究結果は、メトキシフェノール関連化合物の転写因子調節作用がその構造特異性に基づく、いわゆるフェノール作用に起因している可能性を示唆した。しかし、その詳細なメカニズムの解明にはさらなる検討が必要と考える。
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Research Products
(2 results)