2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592202
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 慎一 Tokyo Dental College, 歯学部, 教授 (90197145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 淳子 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00208357)
森本 光明 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90174458)
山根 源之 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80096510)
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Keywords | 掌蹠膿疱症 / ビオチン / 歯性病巣 / 金属アレルギー / IL-6 |
Research Abstract |
東京歯科大学市川総合病院皮膚科および歯科・口腔外科を受診した17名の掌蹠膿疱症患者にビオチン9mgないし12mgを半年以上投与した。13名ではビオチンが皮疹に対して有効であった。この13例において、合併する胸鎖関節炎も1例を除いて軽減ないし消失した。無効例4例のうち、2例では合併する歯性病巣の改善が得られなかった症例で、病巣感染治療の重要性が再確認された。一方、掌蹠膿庖症患者に認められた歯性病巣は、ビオチン投与で掌蹠膿疱症の皮疹が改善しても、歯性病巣そのものは改善されず、歯性病巣に対する効果はないと考えられた。 市販のビオチン測定キット(competitive enzyme-linked assay)を用いてビオチン投与前、9mg投与後および12mg投与後の血中のビオチン濃度を測定した。9mg以上投与で有意な血中濃度上昇を認めた。また、個人差は少なく、9mgと12mg投与でビオチンの血中濃度の大きな差異は認められなかった。すなわち、ビオチン療法の効果の個人差は血中濃度の差異によらないこと、ビオチンは9mgで十分であると考えられた。 ビオチン投与前後でCD4,CD8紳胞比率の変動は明らかでなかった。しかし、歯性病巣などの病巣感染を有する患者において、IL-6の上昇する傾向が認められた。またTNF-αは一部の症例のみ増加していた。すなわち、掌蹠膿疱症患者の病巣感染の指標として、血中のTNF-αよりIL-6が有用であることが示唆された。 掌蹠膿疱症においてビオチン療法は皮疹、胸鎖関節炎共に有効であるが、歯性病巣などの病巣感染を有する場合、併せてこれらの治療を行う必要性があると考えられる。
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Research Products
(5 results)