2006 Fiscal Year Annual Research Report
タキサン系抗癌剤による腫瘍随伴性骨吸収の抑制機構の解明
Project/Area Number |
18592208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
高橋 昌宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (90340059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 助教授 (40203476)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
山下 照仁 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90302893)
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Keywords | ドセタキセル / 骨吸収 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 微小管 |
Research Abstract |
本年度は、タキサン系抗癌剤ドセタキセル(Taxotere)の腫瘍随伴性骨吸収に対する効果を検討するため、マウス骨芽細胞、破骨細胞を用いて検討した。 1.破骨細胞分化シグナルに対するドセタキセルの影響を調べるために、RANKL/RANKシグナルの下流の伝達因子群の発現とリン酸化修飾を調べた。マウス脛骨から採取した骨髄細胞をM-CSF(100ng/ml)存在下分化させた骨髄マクロファージにドセタキセル(10^<-4>M)を添加して、破骨細胞分化シグナルであるI-κBの分解、ERKのリン酸化をウェスタン法で定量化したところ、LPS、パクリタキセル刺激の場合にはI-κBの分解、ERKのリン酸化を認めたが、ドセタキセル刺激では、これらのシグナル伝達は認めなかった。 2.破骨細胞の骨吸収活性を検討するため、アクチンリングの形成と微小管の動態を抗アクチン抗体や抗微小管抗体を用いて免疫組織学的に観察し、ドセタキセル添加による形態変化を観察したところ、ドセタキセルの濃度10^<-7>Mで骨芽細胞の微小管の著しい変化を認めた。また、高濃度10^<-5>Mでは破骨細胞のアクチンリング形成が完全に抑制された。 3.最近、森本らは、破骨細胞の表層にvesicular glutamate transporter 1(VGLUT1)が存在し、KCl(50mM)刺激でL-グルタミンを放出することを明らかとした。(EMBO J 2006;25:4175-86)。今回はドセタキセルによる破骨細胞からのレグルタミン放出に対する効果を検討した。 以上から、 1.ドセタキセルはTLR4/MD2を介したシグナル伝達しない。 2.ドセタキセルは濃度依存的に骨吸収抑制に作用したが、破骨細胞のアクチンリング形成も抑制した。 3.ドセタキセルはKCl(50mM)刺激で誘導される破骨細胞のL-グルタミン放出を濃度依存的に抑制した。
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