2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における悪性化の分子機構-siRNAによる機能解析と治療法の開発-
Project/Area Number |
18592215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
能崎 晋一 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (10283110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悦秀 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00092445)
川尻 秀一 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30291371)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / uPA / uPAR / RNA干渉 / siRNA / がん浸潤 |
Research Abstract |
これまでの系統学的検討から口腔癌の悪性化には様々な遺伝子の過剰発現が関与し、それら遺伝子の一部はがん補助療法の標的になりうることを報告してきた。特に、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(uPA)システムが口腔癌の浸潤・転移に深く関与していることを見いだし、そのシステムががん補助療法の標的になる可能性を明らかにした。そして、uPAシステムに対するアンチセンスDNAを用いた検討ではuPA受容体(uPAR)が口腔癌の治療標的になりうる事を報告した。しかし、他施設からの報告同様にコスト面に問題を残した。 近年、更なる制御機構の解明につながるものとしてsiRNAを用いることの重要性が増してきている。アンチセンスDNAに比べsiRNAは少量で効果発現することからも、コスト面の問題を解決できる。今回、遺伝子発現抑制法の中でも簡便で確実であるsiRNAを用いて口腔癌の初期浸潤に与える影響を検討した。 口腔扁平上皮癌細胞株OSC-19細胞にuPARのsiRNAを40nMの濃度で導入したところ、細胞骨格や細胞増殖への影響は認められなかった。しかし、uPAR siRNA導入細胞ではコントロールsiRNA導入細胞に比べuPAR mRNAの発現が72%減弱していた。フィプロネクチン分解・浸潤モデルでの検討においては、親株やコントロールsiRNA導入細胞た比べ、uPAR siRNA導入細胞の浸潤能は有意に抑制されていた。 uPAR遺伝子を標的としたsiRNAにより、口腔癌初期浸潤の抑制効果が認められた。アンチセンスDNAに比べ、siRNAの効果発現はより低濃度で現れることから、siRNAを用いたuPARを分子標的とするがん補助治療の可能性が深まったと考えられた。
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Research Products
(5 results)