2007 Fiscal Year Annual Research Report
Angiogeninを介する癌の増殖および腫瘍血管新生機構の解明と癌治療への応用
Project/Area Number |
18592220
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸本 晃治 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40243480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Keywords | angiogenin / 口腔癌 / 血管新生 / 増殖 / 浸潤 / 低酸素(hypoxia) |
Research Abstract |
1.リボゾームの生合成の評価 HSC-2細胞におけるangiogenin発現の抑制により,銀染色によるnucleolar organizer regions (NOR)のドット数は低下した。 2.リボゾームRNA (rRNA)の合成能の評価 32P-orthophosphateで30分ラベルしたangiogenin RNAi transfectant (Ang-RNAi)とvector control transfectant (Vector cont.)から全RNAを抽出しオートラジオグラフィにより新たに合成されたRNAを検出し評価した。HSC-2細胞におけるangiogenin発現の抑制により,45S rRNA産生量は低下した。 3.PI3K-Akt-mTOR経路の検討 HSC-2細胞のAng-RNAiとVector cont.の対数増殖期において蛋白を回収し,Akt (Ser473)およびmTOR (Ser2448)のリン酸化をWestern blot法にて調べた。Ang-RNAiではAktのリン酸化が減少した。しかしながら,Ang-RNAiとVector cont.で,mTORのリン酸化には違いは認められなかった。 4.動物実験 ヌードマウスの背部皮下にVector cont.およびAng-RNAiの両HSC-2細胞,800000個をそれぞれ植え付け4週後に屠殺し,腫瘍組織を採取した。Angiogeninの発現抑制はin vivoでのHSC-2細胞の腫瘍増殖を著明に低下させた。一方,8000000個のVector cont.およびAng-RNAiの両SCCKN細胞を植え付け,4週目で腫瘍径は両細胞とも約3mmに達したが,腫瘍組織の成長が非常に遅く評価不能であった。 以上から,angiogeninは腫瘍血管新生作用のみならず癌細胞におけるリボゾーム産生とPI3K-Akt経路を介しても口腔癌の増殖・進展に関与すると考えられた。
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Research Products
(2 results)