2007 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造を反映した仮想骨の作製-超高圧電子顕微鏡を用いたナノレベル解析-
Project/Area Number |
18592234
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上岡 寛 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 照子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
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Keywords | 骨細胞 / 超高圧電子顕微鏡 / トモグラフィー / 3次元構築 / 仮想骨 / シミュレーション / 骨 |
Research Abstract |
背景と研究目的 これまで、申請者らのグループでは骨中の細胞間ネットワークを共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察してきた。しかしながら、蛍光色素を用いたこれらの観察の解像度は、約500ナノメートルであるのに対して、対象となる構造はそれ以下(骨細管の径は、50-410nm)である。そのため、補正が必要となり、正確な立体構築には至らなかった。そこで、超高圧顕微鏡を用いることにより、解像度の問題を解決し、微細な構造を反映した仮想骨が作成されると考える。 実験 骨細胞ネットワークのトモグラフィーによる観察:16日齢ニワトリ胚頭蓋骨を3%パラホルムアルデヒドで固定し、2%プロタゴール染色液を用いて48時間の鍍銀染色を行った。その後、パラフィンに埋包し、3μm厚の切片を作製した。断層画像を得るために、切片は、金コロイド溶液に浸した。電子断層画像のためのデータサンプリングには、360°傾斜可能なホルダーを備えた3MV超高圧電子顕微鏡(H-3000,Hitachi社製)を用いた。画像は、CCDカメラ(TVIPS社製)に記録された。また、トモグラフィーで得られた断層画像と比較するために、同じ標本を用いて、70nm厚の組織切片を作製し、100KV TEMにて観察した。3次元構築はIMODを用いて行った。 有限要素解析:上記にえられた電子断層画像を用いて、骨細管は画像を二値化した後、TRI3D/VOLを用い領域抽出し、骨小腔はマニュアルトレースを行い、三次元仮想骨有限要素モデルを作製し、応力解析に供した。 結果 超高圧電子顕微鏡を用いて、銀染色された3マイクロ厚の切片から、電子断層画像を撮影し、得られた断層画像をもとに再構築された仮想骨を用いて、骨小腔から骨細管へ移行する領域において、応力の集中が観察され、同部における局所の変形が骨全体へかかる変形に比べて大きいことが予想された。
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Research Products
(5 results)