2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北浦 英樹 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60295087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉松 昌子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20420630)
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Keywords | 細胞・組織 / 歯学 / 免疫学 |
Research Abstract |
矯正歯科領域において歯の移動のコントロールできることは治療期間の短縮に役立つ。我々は生体反応、特に骨吸収を行う破骨細胞の発現および機能をコントロールすることで歯の移動をコントロールできると考えている。破骨細胞は、M-CSF存在下でRANKLあるいはTNF-αによって形成される。また、我々のマウスの矯正学的歯の移動の実験モデルにおいてTNF-αが重要な働きをしていることがわかった。本研究では、まず、破骨細胞形成に働いているM-CSFをブロックすることでTNF-αによる破骨細胞形成を効果的に抑制することを確認した。5週齢マウスの大腿骨および脛骨から骨髄細胞を採取し、さらに破骨細胞前駆細胞を分離し、M-CSF、RANKLまたはTNF-α存在下で培養し、同時にM-CSFの中和抗体抗(c-fms抗体)を濃度をかえて作用させ、それぞれ、破骨細胞形成の抑制効果を観察した。抗c-fms抗体を破骨細胞形成に作用させると用量依存的に破骨細胞様細胞形成を抑制した。またTNF-αによる破骨細胞形成がRANKLによる破骨細胞形成より低濃度で抑制した。これらのことからTNF-αが関与する矯正学的歯の移動は、抗c-fms抗体で、効果的にコントロールできる可能性が示唆された。次に野生型マウス(Wild type、C57BL6/J)の8週齢雄の上顎切歯と左側第一臼歯間に10gfのNiTiクローズドコイルスプリングを装着し、両側第一臼歯を近心移動した。歯の移動開始時から毎日、左側第一大臼歯頬側皮下に抗c-fms抗体を注射した。歯の移動開始後、12日目に距離を測定した。コントロールであるPBS注射の右側第一臼歯を対照群した。抗c-fms抗体を注射したマウスの歯の移動は、有意に抑制された。抗c-fms抗体で破骨細胞を抑制し、歯の移動を抑制したことが示唆された。
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Research Products
(4 results)