2008 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症モデルマウス(SAMP3)を用いた顎関節機能解析と病態の究明
Project/Area Number |
18592244
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古賀 義之 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50175329)
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Keywords | 変形性顎関節症 / 顎機能 |
Research Abstract |
関節頭を含む顎関節の形態が顎機能に対しどのように関わっているかを明らかにし,顎口腔機能運動分野での形態異常と機能障害に対する治療の発展に寄与することを目的とした. 特に今回は,我々が開発したマウス顎機能計測システムを用いてマウスの顎運動と筋活動の計測を行った.実験動物として,自然発症変形性顎関節症モデルマウスSAMP3の入手が困難となったため,系統の近い老化型マウスSAMP8を利用した.顎関節の退行性変性に関しては,ヒトと同じように関節表面の粗造化から始まり関節の変形へと進行していくため,この様な継続的な病状の進行が予想されるモデルを利用することにより,顎機能に対する影響を明らかにした. (1)老齢期における顎機能解析 正常関節から変形関節への移行期つまり30週齢以降のSAMP8マウスを用いて機能計測およびデータ解析を行った.顎運動に関しては,健常のマウスと比較して,顎運動の軌跡が小さくなった.最大開口量と前方運動量ともに小さくなった.咀嚼筋活動電位に関しては,発火タイミングなどに特徴的な変化が認められなかったが,その活動量は小さくなっていた. (2)関節頭の形態変化 SAMP8マウスは,40〜50週齢飼育したが,顎関節の変形はわずかしか起こらなかった.変形の特徴としては,顎関節頭頂部に平坦化が起こった.しかしながら,下顎骨の回転運動に影響を及ぼすほどの変形では無かった. 結論として,老齢化による筋機能の低下が,下顎運動領域の縮小をもたらし,機能的な刺激の減少に伴って,顎関節の変形を引き起こす可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)