2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼少期の身体抑制ストレスが成長後の中枢神経系に与える影響に関する統合的理解
Project/Area Number |
18592246
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉原 俊博 Hokkaido University, 北海道大学病院, 講師 (60261319)
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Keywords | 身体抑制ストレス / 中枢神経系 / 視床下部 / 成長 / ラット |
Research Abstract |
幼少期のストレスは動物に対して、ストレスを受けた時期だけではなく、その後長期にわたり中枢神経系に様々な影響を与えることが報告されている。しかし幼少期のストレスとして、身体を抑制することによるストレス(以下、身体抑制ストレス)が成長後のストレス反応や行動にどのように影響するかを調べた研究はない。 そこで本研究では、実際の歯科治療を想定し、抑制具を使用する身体抑制法がラットの成長と成長後のストレスに対する視床下部-下垂体-副腎皮質系の反応、さらに行動のサーカディアンリズムを統括する視床下部視交叉上核にどのように影響するかを調べ、そのメカニズムを考察する。 平成19年度は以下の実験結果が得られた。 「幼少期身体抑制ストレスが成長後のストレス反応に対する影響について」 出生直後より1週間、毎日30分間の身体抑制ストレスを負荷した群(身体抑制ストレス負荷群)と対照群について、3か月後に新規環境ストレスを与え、それに対するストレス反応性を視床下部-下垂体-副腎皮質系の最終出力である血中コルチコステロン濃度変化を指標にして評価した。得られた結果は以下の通りである。 身体抑制ストレス負荷群は対照群に比較して、体重差がないにもかかわらず、新規環境ストレスに対して有意に大きな血中コルチコステロン濃度を示した。また、上昇した血中コルチコステロン濃度が基礎値に戻るのに要した時間も身体抑制ストレス負荷群は対照群に比較して長かった。これらの結果から、出生直後の身体抑制ストレスは視床下部-下垂体-副腎皮質系におけるネガティブフィードバックを弱めることが示唆された。
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Research Products
(1 results)