2007 Fiscal Year Annual Research Report
成長発育期の骨格性上顎前突症患者に対するインプラント矯正治療の効果
Project/Area Number |
18592247
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
飯野 祥一朗 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10295256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
友成 博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70398288)
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Keywords | 顎整形力 / インプラント固定 / チタンスクリュー / 成長発育 |
Research Abstract |
成長発育期の骨格性上顎前突症に対するインプラント矯正治療の効果を明らかにするため、顎骨を固定源として歯性の変化を防ぎながら顎整形力を加えたときの顎発育の制御効果を検証した。4週齢のWistar系雄性ラット15匹の下顎両側第一大臼歯遠心部の頬側歯槽骨に骨穿孔を行い、結紮線を結紮した。このうち10匹のラットに対して下顎骨が前方に3mm誘導されるジャンピングアプライアンス(JA)を装着した。さらに、JAを装着した5匹のラットでは、骨穿孔部に結紮した結紮線を下顎両側切歯にも結紮した。JAを装着して骨穿孔部と下顎切歯の結紮を行った群を実験群、JAの装着のみを行った群を対照群、JAを装着しなかった群をコントロール群とした。すべての群で装置装着直前、装置装着1週後〜4週後まで1週毎に頭部X線規格撮影を行った。下顎骨長、下顎骨体長と下顎枝高を画像解析処理ソフトウェアーimage Jで計測して下顎骨の成長量を経時的に解析し、群間で比較した。すべてのラットにおいてX線規格写真の透写図を作成して下顎下縁平面とMeを基準に重ね合わせ、下顎切歯の歯軸変化を観察した。実験群と対照群における下顎骨長、下顎骨体長と下顎枝高の成長のピークは1週後と3週後であったが、コントロール群では3週後のみであった。1週後の実験群と対照群の成長量はコントロール群に比べて大きく、3週後の実験群とコントロール群の成長量は対照群に比べて大きかった。実験群とコントロール群の下顎切歯の歯軸は、すべてのラットで4週後まで変化しなかった。一方対照群では、すべてのラットで1週後に大きく唇側傾斜し、その後も緩やかに唇側傾斜した。以上から、ラットの上顎にJAを装着すると、下顎骨の成長促進と下顎切歯の唇側傾斜が起きるが、顎骨と下顎切歯を固定することによって下顎切歯の唇側傾斜を抑制でき、より効果的な下顎骨の成長促進を期待できることが示唆された。
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Research Products
(4 results)