2008 Fiscal Year Annual Research Report
器官培養法とRNA干渉法を用いたマウス下顎骨形成におけるBMP2の機能研究
Project/Area Number |
18592255
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
福井 只美 Tsurumi University, 歯学部, 助教 (10267544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (20166763)
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Keywords | BMP2 / RNA干渉法 / TIMP1 / 舌筋 / 器官培養法 / マウス / メッケル軟骨 / MMP13 |
Research Abstract |
我々はマウス胎生期下顎および舌形成にBMPの果たす役割について検討するために、胎齢11〜15日におけるマウス下顎、舌におけるBMPおよびその受容体の発現を調べた。さらに胎齢10日のマウス第一鰓弓を培養しRNA干渉法を用いてBMP2の発現を抑制する実験を行い、以下のような知見を得た。 1. BMP2、4が胎齢11〜15日における舌筋に発現が認められた。 2. BMP2のレセプター(I型、II型、AetR-I)が舌筋および側溝の表層に発現していた。 3. BMP2siRNA処理はメッケル軟骨の形態形成に影響を与えた。 4. BMP2siRNAは培養下顎全体の形やサイズに影響を与えなかった。 5. BMP2siRNA処理により約3倍舌の側溝が深くなった。 6. BMP2siRNA処理により舌の側溝の形成がおこる上皮領域ではBMP2の顕著な発現抑制が観察された。 7. BMP2siRNA処理はTIMP1 mRNA発現を抑制した。 8. BMP2siRNA処理は側溝形成部でのTIMP1蛋白質発現を抑制した。 9. BMP2siRNA処理により、舌の側溝が形成される上皮領域にMMP13の顕著な発現の上昇が認められた。 In Vivoの実験結果からBMP2が舌筋の形成に関与している可能性が示唆された。また、In vitroの実験結果からBMP2 siRNAによりBMP2の発現を抑制すると、TIMP1発現が抑制、MMP13発現が促進、舌の測溝形成が促進されることが示された。BMP2はMMP、TIMPの発現バランスを変化させることにより、舌の側溝形成を調節している可能性が考えられる。
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Research Products
(8 results)