2006 Fiscal Year Annual Research Report
上顎前歯歯根、顎骨および顔貌の位置的・形態的相互関係
Project/Area Number |
18592257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
北井 則行 朝日大学, 歯学部, 教授 (20271025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 明敏 朝日大学, 歯学部, 助教授 (30195143)
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Keywords | 矯正歯科治療 / 歯槽骨 / CT / 歯根 |
Research Abstract |
本研究では,高解像度CTで得られた画像から,三次元形態解析用ソフトウェアを用いて,下顎中切歯部および側切歯部の海綿骨の唇舌的厚さを計測し,側面位頭部X線規格写真を用いて頭蓋顎顔面の形態を評価した後,下顎切歯部の歯槽骨形態と顎顔面形態との関連性について検討し,以下のような結果を得た. 下顎切歯部歯槽骨形態について,下顎中切歯部歯槽骨の厚さと下顎側切歯部歯槽骨の厚さとの間に有意の相関が認められた.このことにより,下顎中切歯部歯槽骨の唇舌的厚さが薄いほど下顎側切歯部歯槽骨の厚さが薄いことが示され,中切歯部と側切歯部の歯槽骨形態が近似していることを明らかにした.下顎切歯部歯槽骨形態と顎顔面形態との関係について,下顎体高径あるいは下顔面高が大きい被検者ほど,中切歯部海綿骨唇舌的厚さが薄い傾向が認められた.また,下顔面高が大きい被検者ほど,歯根と唇側皮質骨との間の距離が小さいことが示された点について,下顔面高の大きい者では,歯槽骨後方の骨の添加は通常どおり行われるが,前方部での骨の吸収が大きいとの示唆を得た.さらに,下顎側切歯部の歯槽骨形態も,下顎中切歯部歯槽骨と同様に,下顎体高径あるいは下顔面高が大きいほど,歯槽骨の厚さが薄いことを明らかにした. 以上の結果より,下顎歯槽骨切歯部では,下顎体高径あるいは下顔面高が大きいほど,歯槽骨の厚さが薄く,矯正歯科治療を行う場合に,歯の唇舌的な移動に細心の注意を払わなければならないことが示唆された.
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