2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小牧 基浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
安部 まゆみ 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80271980)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
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Keywords | 歯周組織 / 歯根膜 / 細胞パターニング / 細胞転写 / 血管付きマトリックス / 歯根面被覆 |
Research Abstract |
本研究では、血管付きマトリックスを根面被覆や付着歯肉獲得のための結合組織移植に応用し、より予知性の高い治療法を確立するとともに、従来の歯周外科手術の改良に必要な基礎データを収集することを目的とし、以下の研究を行った。 <血管付きマトリックスによる血管新生療法に基づく研究> 1)血管内皮細胞のin vitroパターニングおよびマトリックスへの転写 内皮細胞はウシ動脈由来内皮細胞(BAEC)を用いて、基板上でのパターン形成(幅50μm、300μm間隔)とマトリックスへの転写後に血管様管腔形成を光学顕微鏡および電子顕微鏡にて確認した。 2)血管付きマトリックスの評価モデル作製 腹部皮下モデル、耳介フラップモデルを作製した。 3)血管付きマトリックスのin vivo評価 凍結切片による組織学的観察により、腹部皮下モデルでは、内腔に赤血球を有する血管腔が確認できた。蛍光実体顕微鏡観察により、耳介フラップモデルでは、移植直後、2日目、5日目に移植パターンを経皮的に観察するとともに、凍結切片の組織学的観察により300μm間隔に並ぶ移植細胞を確認し、その一部に赤血球を確認した。 <歯根膜細胞の再生能に基づく研究> 1)歯根膜細胞のin vitroパターニングおよびマトリックスへの転写 ヒト歯根膜細胞を用いて、基板上でのライン状、ドット状、シート状のパターン形成ができた。 2)歯根膜細胞の性状 ヒトストローマ細胞、ヒト皮膚線維芽細胞、ヒト血管内皮細胞と比較し、歯根膜細胞特異的にCP-23発現を確認した。CP-23発現は、rhBMP-2、rhTGF-β処理により低下した。組織学的観察ならびにreal-time PCR法により、ヒト歯根膜細胞は、in vivo移植により、軟骨細胞ならびに骨芽細胞へ分化した。一方、CP-23発現は経時的に低下した。 3)細胞付きマトリックス評価のための実験モデル作製 ヌードラット頭蓋骨膜欠損モデルおよび上顎門歯歯肉欠損モデルを作製した。骨膜欠損モデルでは、パターン化細胞移植群は、コントロール群(マトリックスのみ)に比して、3週まで移植したマトリックスの厚径を維持した。 以上の結果から、血管付きマトリックスまたは歯根膜細胞付きマトリックスの歯根面被覆への応用可能性が示された。
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Research Products
(4 results)