2007 Fiscal Year Annual Research Report
経皮免疫を応用した歯周病予防のための次世代ワクチンの開発
Project/Area Number |
18592270
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 正文 Nihon University, 松戸歯学部, 教授 (80210558)
|
Keywords | 歯周病 / 経皮ワクチン / Porphyromonas gingivalis / 外膜タンパク / 赤血球凝集活性 / アジュバント |
Research Abstract |
本研究では歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalisの主要な病原因子の一つである分子量40-kDaの外膜タンパク(40k-OMP)を用いた経皮投与型ワクチンの開発を目的とした。ラットの背部を剃毛し、40k-OMPを単独あるいはアジュバントのコレラ毒素またはCpG ODNとともに経皮投与した。経皮投与は週1回、計3回行った。その結果、40k-OMP単独の経皮免疫により顕著なIgG抗体応答が血清ならびに唾液中に誘導され、そのレベルはアジュバントを用いた群と同程度であった。さらに、最終免疫後、140日後も高い抗体レベルを維持していた。また、ELISPOT解析により脾臓ならびに頸部リンパ節に多数のIgG抗体産生細胞数が検出された。in vitroでの解析により40k-OMP免疫により誘導された40k-OMP特異的抗体はP.gingivalisの赤血球凝集活性を顕著に阻害することが示された。また、P.gingivalisの皮下投与による膿瘍形成ラットモデルを用いて、40k-OMP経皮ワクチンの防御効果を検討した結果、40k-OMP単独経皮免疫群はP.gingivalisの膿瘍形成を顕著に抑制した。以上のことから、40k-OMPの経皮免疫はアジュバントを用いることなしにP.gingivalis感染に対して防御可能な抗体応答を誘導できることが示され、安全性の高い歯周病予防ワクチンとして実用化への可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)