2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームに及ぼす歯周病の影響についての総合的研究
Project/Area Number |
18592271
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
松原 達昭 Aichi Gakuin University, 歯学部, 教授 (30209598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 桂子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (30387576)
小林 泰子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40418926)
野口 俊英 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50014262)
稲垣 幸司 愛知学院大学短期大学部, 歯科衛生学科, 教授 (50211058)
吉成 伸夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 歯周病 / 心血管病 / 脂質代謝異常 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
我々は、メタボリックシンドロームと歯周病の関連についての総合的研究を実施するにあたって、当院歯周病科通院中で本研究に同意の得られた患者における血管機能およびサイトカインを含めた検討を行った。口腔内所見、う蝕、修復物・補綴物の状態、さらに,歯周病所見は歯周病専門医により診断され、歯周組織の診査は、15mmの歯周プローブ(UNC15, Hu-Friedy, USA)を使用し、第3大臼歯を除く全歯を6点法でプロービングデプス(PD)、アタッチメントレベル(AL)、プロービング時の歯肉出血(BOP)を測定し、評価した。また、デンタルX線写真から歯槽骨吸収状態を、Scheiの方法に準じて第3大臼歯を除く全歯の近遠心の歯槽骨吸収率を計測し、その平均や20%以上と50%以上の歯槽骨吸収を示す比率をそれぞれ計算した。メタボリックシンドロームの診断は日本内科学会における診断基準を用い、メタボリックシンドローム構成因子との関連を検討した。これまでの解析において、歯周病患者におけるメタボリックシンドロームの有病率は高く、さらにメタボリックシンドローム保有群では現在歯数が有意に少なく、逆にBOP陽性率、プラークスコアが高い傾向を認めた。メタボリックシンドローム構成因子との関連においては、空腹時血糖と中性脂肪が歯周病と強い相関を認めた。こうした結果は、メタボリックシンドロームを保有する患者において、歯周病の存在を示唆するのみでなく、診断基準でメタボリックシンドロームを保有しないとされる患者においても、メタボリックシンドローム構成因子に注目し、歯周病診断にあたる必要があることを示していると考えられた。現在、さらに人数を増やして解析を行うとともに、歯周病治療がメタボリックシンドロームに及ぼす影響について前向き研究を行っている。
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