2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌ペプチド産生を誘導するIL-22に着目した歯周病態の解析と新規治療創薬の開発
Project/Area Number |
18592274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大山 秀樹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90280685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (00217712)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
西村 英紀 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80208222)
橋谷 進 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00330449)
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Keywords | IL-22 / 歯周炎 / β-ディフェンシン2,3 / T細胞 / ケラチノサイト |
Research Abstract |
本年度は,1)CD4^+T細胞クローンが産生するIL-22およびIL-22RA2を,合成アナログペプチドおよび各種アジュバントを用いて人為的に調整することの可能性について評価するアッセイ系の樹立を行なうこと,および2)歯周病巣局所におけるIL-22,IL-22R,hBD1,hBD2およびhBD3の発現を免疫組織化学的に観察することを行なった。なお,本研究計画の実施に伴ない,兵庫医科大学倫理委員会に研究計画を提出し,研究遂行の承認を同委員会から得た。 1)健常者末梢血由来リンパ球からP.gingivalis外膜蛋白抗原Ag53を認識する23種のCD4^+T細胞クローンを樹立した。それらT細胞クローンのサイトカイン産生を調べた結果,14種のIL-22産生性T細胞クローンを樹立することに成功したことが明らかとなった。さらに,Th1およびTh2サイトカイン産生性をそれぞれのT細胞クローンで調べた結果,多くのT細胞クローンで,IFN-gammaおよびIL-13の産生が認められた。これらT細胞クローンを被験対象として,引き続きIL-22産生性を合成アナログペプチドおよび各種アジュバントを用いて制御することを試みる予定である。 2)IL-22,IL-22レセプター,hBD1,hBD2およびhBD3のそれぞれの発現について,歯周病患者の外科処置時採取歯肉の連続切片を作成して観察した結果,炎症性の歯周組織においてIL-22の発現が見られた。IL-22は,上皮下のCD4陽性のT細胞が集積する領域および小血管に多く発現した。患者間において,IL-22は多く発現するが,その周囲の上皮細胞においてhBD2およびIL-22Rの発現が低いものが見られた。このアンバランスが,歯周病の発症と進行に関与するかもしれないことが示唆された。
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Research Products
(3 results)