2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性菌と口腔レンサ球菌とのバイオフイルム形成に関与する遺伝子群の包括的探索
Project/Area Number |
18592276
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保庭 雅恵 Osaka University, 歯学研究科, 助教 (00303983)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 英樹 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (50260641)
片岡 宏介 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (50283792)
|
Keywords | Streptococcus gordonii / Porphyromonas gingivalis / バイオフイルム / 菌体間シグナル / 菌体内シグナル / クオラムセンシング / Fusobacterium nucleatum |
Research Abstract |
昨年度の研究では、口腔常在菌Streptococcus gordoniiのランダムノックアウトライブラリを用い、S.gordoniiのどの様な分子が歯周病原性菌Porphyromonas gingivalisとの混合バイオフイルム形成過程に関与するのかを明らかにした。同定されたこれらの遺伝子群は、その推定機能により以下のような4つのグループに大別された。i)菌体内および菌体間シグナル伝達(cbeおよびspxB),ii)細胞壁生合成と菌体表層凝集素タンパク質の構造維持(murE,msrAおよびatf),iii)莢膜生合成(pgsAおよびatf),iv)生理機能(gdhA,ccmAおよびntpB)。さらに、これらの10遺伝子について、各々に特異的ノックアウト株およびコンプリメント株を作成し、P.gingivalisとの混合バイオフイルム形成能を野生株と比較したところ、全ての特異的ノックアウト株において形成能の低下が認められ、またそれらのコンプリメント株では形成能の回復が確認された。 今年度の研究においては、これらの遺伝子のうち、細菌のシグナル伝達に関与していると推測されるcbeおよびspxBに着目し、S.gordoniiのcbe特異的ノックアウト株およびspxB特異的ノックアウト株において、デンタルプラーク形成過程の中間に介在し重要な役割を果たす紡錘菌Fusobacterium nucleatum存在下においてもP.gingivalisとの混合バイオフイルム形成能が低下しているかどうかを調べた。その結果、S.gordonii野生株に比較して、cbe特異的ノックアウト株のP.gingivalisとの混合バイオフイルム形成能はF.nucleatum存在下においても有意に低いことが示された。
|