2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織由来細胞におけるストレス応答性タンパク質MICAの発現に関する研究
Project/Area Number |
18592280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河原 和子 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20034209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島津 篤 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10274094)
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Keywords | MICA / ストレスタンパク質 / 歯周組織 / 免疫染色 / RT-PCR |
Research Abstract |
MICA (MHC class I-related chain A)は、熱ショックタンパク質と同様に、微生物感染や温熱,低酸素などの刺激によって細胞膜への発現が誘導されるストレス応答性の糖タンパク質である。MICAの受容体は、γδ T細胞,細胞障害性T細胞,マクロファージといった細胞表面に発現するところのNKG2Dで、両者の結合は、細胞傷害機能の主要な活性化シグナルとなって、MICA発現細胞はその標的となることが知られている。これらの細胞傷害性細胞はいずれも歯周疾患局所に多く出現してくることから、歯周組織構成細胞によるMICA発現が、病態の進行を増大・加速する可能性が推測される。しかしながら未だ健常・罹患を問わず、歯周組織におけるMICAの研究報告は見あたらない。本年度私たちは、ヒト歯根膜細胞がMICAを発現することを明らかにする目的で、培養細胞を用いてRT-PCR法に加え、MICA抗体とプロピジウムイオダイド核染による蛍光二重染色を施した。免疫染色の実施に際しては、8チャンバーに培養細胞を植え継ぎ、MICA特異染色とネガティブコントロール染色を同一スライド上で行うことによって、両染色を対する反応条件の等一性を図った。染色像の解析には共焦点顕微鏡を用い、同一条件で特異染色とネガティブコントロール染色の画像を取得した。<結果>PCRによって予測されるサイズの単一バンドを得た。免疫染色においては、抗MICA抗体によるシグナルは、同抗体とクラスならびに濃度を一致させた正常イムノグロブリン染色によるシグナルよりも明らかに高かった。以上の結果から、歯根膜細胞はmRNAとタンパク質レベルにおいて、MICAを発現することが示された。次には、MICAの転写に影響する生理活性物質についてmRNAレベルで検索する計画である。
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