2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞侵入性細菌毒素による歯周病態モデルの構築と歯周病予防法への応用
Project/Area Number |
18592285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (40295861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
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Keywords | 歯周病 / Actinobacillus actinomycetemcomtans / cytolethal distending toxin / sonoporation |
Research Abstract |
歯周疾患の特徴の1つとして、炎症が慢性化することが挙げられるが、報告者のグループは、歯周疾患の慢性化機序について歯周病原性細菌 Actinobacillus actinomycetemcomitans菌の産生する細胞膨化致死毒素(Cytolethal Distending Toxin ; CDT)に注目し研究を行い、その成果を数編の国際誌に発表した。今回の研究で我々は、ヒト単球型細胞株U937細胞を用いて、同菌が産生するCDTによる細胞毒性の発現機序について解析を加えた。リコンンビナントCDT(rCDT)は、1μg/mlで18時間後にU937の細胞周期をG_2/M期で停止させ、24時間後にはアポトーシスを誘導した。rCDTが誘導するアポトーシスでは、カスペース-9が活性化し、その後カスペース-3とカスペース-6の活性化が観察された。また、18時間後にはカスペース-6の活性に依存して核タンパクであるラミンが分解された。また、カスペース-9の活性を阻害した細胞ではrCDTによるアポトーシスは顕著に減少したが、G_2/Mでの細胞周期停止に変化は認められなかった。 また我々は、CDTが細胞にアポトーシスを誘導することに着目し、口腔ガンの治療法として、sonoporationによりガン細胞にCDTの活性サブユニットCdtBを発現させ増殖抑制させる方法を試行した。ヒト歯肉扁平上皮ガン細胞株Ca9-22及び同細胞を移植したnude KSN/slcマウスを用いて実験したところ、sonoporationによりCdtB発現ベクターを注入したCa9-22は、in vitroおよびin vivoで顕著に増殖が抑制されたとともに、アポトーシスによる細胞死が観察された。
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Research Products
(4 results)