2006 Fiscal Year Annual Research Report
合成光触媒アパタイトの新複合機能歯科材料としての評価
Project/Area Number |
18592287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
浜田 節男 奥羽大学, 歯学部, 教授 (80094952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 忠蔵 奥羽大学, 歯学部, 教授 (70083441)
田谷 かほる 奥羽大学, 歯学部, 助手 (00347949)
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Keywords | 光触媒 / アパタイト / ラジカル / 酸化チタン / スピントラッピング剤 |
Research Abstract |
ハイドロキシアパタイト(以下HApと略す)の生成過程で、4価チタンを種々濃度でドーピングさせて合成チタンアパタイト(以下TiHApと略す)を合成した。合成したTiHApに紫外線を照射して、生成するラジカル種の解析はCYP-MPOを用いたスピントラップ法で行った。その方法は、試料100mgに0.5mLの蒸留水と5mMのCYP-MPOを添加後、攪拌しながら波長380nmの紫外線を30秒間照射して生成するラジカルをESRで解析した。さらにラジカル発生に伴うメチレンブルー水溶液の脱色試験などから光触媒機能性を評価した。その結果、TiHApからは、典型的なOHスペクトルが確認されたが、O_2の発生を示すスペクトルは認められなかった。 また、TiHApから生成されたOHの強度は、ドープしたTi濃度の減少に伴って減衰する傾向が認められた。一方、アセトン分散のTiO_2-HApでは、Ti濃度で対応するTiHApと比較してもOHのスペクトルはいずれも弱い強度を示した。さらに、OHスペクトルの線形が変形する現象を示したが、この試料からもO_2スペクトルは検出されなかった。CYP-MPOはラジカルのスピントラップ剤として、新たに開発された画期的な試薬である。この試薬は従来のDMPOに比較して、O_2が圧倒的に優れ、さらにCYP-MPO-O_2の半減期が約20分と長いことから、精度の高い分析は期待される。また、CYP-MPOスピントラッピング剤はOHの捕捉性も高く、加えてO_2スペクトルの分離にも優れている。 まとめ:今回のCYP-MPOによって、TiHApからのスパーオキシド(O_2)スペクトルは認められなかった。OHスペクトルの強度はTiHApにドーピングさせたTi濃度に対応する順位性を示した。
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