2008 Fiscal Year Annual Research Report
熟練看護師の経験知から構造化する基礎看護技術及び教授方略の開発
Project/Area Number |
18592300
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢野 理香 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 講師 (50250519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 節子 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80191021)
中澤 貴代 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (50360954)
青柳 道子 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (30405675)
渡辺 玲奈 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (10431313)
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Keywords | 看護技術 / 熟練看護師 / 経験知 / 動作分析 / 手浴 / 技 / マンシェット装着 |
Research Abstract |
本年度は、脳血管障害専門病院に勤務する熟練看護師が、手浴を、どのような対象者に、どのような目的と方法で実践し、どのような効果をもたらすと認識しているのか経験知の言語化を試みた。 対象者は、脳血管障害患者へのリハビリテーション医療を先駆的に実践しているA病院もしくは脳神経外科専門のB病院に勤務または勤務していた、臨床経験年数5年目以上の1看護師21名で、半構成的質問紙を用いたインタビューを実施した。その結果、手浴の目的は、全看護師が清潔の保持を含め、複数の目的を持っており、A病院では浮腫の改善・患側の意識付け、B病院では意識刺激・拘縮の改善を目的とする割合が多かった。また、湯温は38-43度、時間は5-20分と幅があり、目的によって温度・時間が異なると回答する者もいた。手順として、特徴的であったのは、湯につける際には、必ず健側で、患者の感覚を確認すること、手掌の掌握運動の自動・他動運動を取り入れることであった。本研究で抽出された「患側の意識付け」「意識刺激」などは、技術書には記載されていない手浴の新たな目的であり、看護師は患者の状況に合わせて、手の運動等を取り入れていた。また、同じ脳血管障害患者であっても、急性期か回復期の患者かによって、手浴の目的は異なり、病期に合わせた手浴の目的と方法の確立と、対象者に合わせた技術実践の必要性およびアセスメントを取り入れた教書内容が必要と考えられた。この結果は、日本看護技術学会第7回学術集会(青森)において報告した。 看護師のマンシェット装着動作の分析から抽出した結果をもとに開発した教材の実施結果を論文「複数のマンシェット装着動作を視聴する教育プログラムの効果」として日本看護学教育学会誌18(2)において報告した。
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Research Products
(3 results)