2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護実践能力強化のための聴診音取り込み演習用電子カルテ教材の導入と効果
Project/Area Number |
18592333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
城丸 瑞恵 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (90300053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 和彦 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (00102377)
堤 千鶴子 目白大学, 看護学部, 教授 (40300058)
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Keywords | 看護実践能力 / 電子カルテ教材 / フィジカルアセスメント / 看護教育 / 聴診音 |
Research Abstract |
本研究は、看護学生の実践能力を強化するために、多様な腹部の聴診音を電子カルテ教材に取り込み、その効果について検証することを目的としている。初年度にあたる18年度は、聴診波形表示装置のトレーニング・マスターIIIを購入した。これは、マルチ聴診センサー(聴診器)を聴診部位にあてることで聴診音をリアルタイムに取り込み、その聴診音を波形表示することが可能である。通常の聴診と同様に非侵襲的であることや臨床現場などで録音した聴診音を本装置に取り込み、必要に応じて波形表示と聴診音の再生が可能であることが長所である。但し、上記の性能は今のところ心音・呼吸音に限ってであり、腸音を含めた腹部聴診音の取り込みや分析が必要となる。その第一歩として、申請者らは、研究協力者である健康な男性1名の腸音を収録してその音域の広さに適合できるような周波数の分析を実施した。腸音収録時間は1朝食摂取から5時間後の空腹時・昼食直後・昼食後1時間・2時間・3時間・4時間である。その際、電子聴診器は腹壁から回盲部に両面テープで密着固定を行い、極力ノイズを防ぐことができるような工夫を行った。その結果、食前は高周波成分(200〜800Hz/以下H周波)を多く含み大振幅で持続時間が長く、また中周波成分(50〜200Hz/以下M周波)、低周波成分(20〜50Hz/以下L周波)も振幅は小さいが認められた。食直後はH周波とM周波が同様の頻度で現れ、食後1時間では食直後よりH周波・M周波ともに振幅が小さくなっていた。食後2時間ではH周波・M周波が減少して、食後3時間・4時間ではどの周波数も確認できなかった。来年度は、電子カルテ教材に収録できる適切な腸音の周波数の確定を中心に、聴診波形表示装置の腹部聴診音解析への応用と、多彩な腸音の正常音に関する分析を引き続き試みる。 また、本年度は演習用電子カルテ「ワイズマン電子カルテシステムER」の整備を行い、腸音収録の環境設定を工夫しており、来年度も継続して実施予定である。
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