2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本文化及び看護における安楽の概念に関する研究ー看護実践者の安楽の概念の構築ー
Project/Area Number |
18592335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山元 由美子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30325972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 八重子 昭和大学, 保健医療学部・看護学科, 教授 (80439455)
佐々木 百合子 つくば国際短期大学, 看護学部, 教授 (10320988)
見目 節子 つくば国際短期大学, 看護学部, 教授 (50310511)
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Keywords | 安楽 / 看護実践者 / 概念 / らく / 穏やか / 自己決定 / 自律と生活の再構成 / 生活の拡大 |
Research Abstract |
今まで行った臨床看護職者へのナラティブ、インタビュー、アンケート調査などから臨床看護職者の「安楽」に対する暗黙知を引き出し、形式知とする作業を行い、「観察と反応」、「安全の保障」「相互作用」を基盤に、身体的・精神的・社会的・環境的側面の各々の側面に対する「らく」、「穏やか」、「日常生活の自律」、「自己決定」、「生活の再構築(リニューアル)」「生活の拡大」の構成要素を明らかにした。これらの構成要素は、健康状態や障害の程度により対象へのケアの重みが異なっていた。例えば、訪問看護ステーションでは、「心身に苦痛がないこと」「不快がない」ことに対して、「安心・安定」、「満足」、さらに、「介護者や本人への教育」、「社会資源の活用」、「経済問題への配慮」が「安楽」の構成要素であった。これらは、「人間関係」がべースであり、そのうえで「QOL」を高めることが「安楽」への援助であった。 看護実践者の「安楽」の概念化をするために、これら6の構成要素と(1)コルカバのComfort理論との照合(対比)、(2)看護介入の分類(NIC)に基づくComfortの項目を抽出し照合した。その結果、日本文化の中での看護実践者の「安楽」の構成要素は、「楽になるための援助」「対象の気持ちが穏やかになるような援助」「対象が自己決定できるような援助」「対象の自律への援助」「対象が生活の再構築ができるような援助」「対象の生活が拡大するような援助」であった。これらの要素ごとに質問項目を作成した。質問項目は、今までの研究で臨床看護師が用いている表現を考慮して作成した。質問紙は、内的妥当性を検討後、500名(外科系、内科系、小児系、老人、精神、産科、老人保健施設、訪問看護ステーション等)を対象にプレテストをした。現在分析中である。今後、構成要素の妥当性を検証・修正等を行いながら、概念化をする予定である。
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