2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本文化及び看護における「安楽」の概念化に関する研究-看護実践者の「安楽」の概念の構築
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18592335
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山元 由美子 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 教授 (30325972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 八重子 昭和大学, 保健医療学部・看護学科, 教授 (80439455)
佐々木 百合子 つくば国際短期大学, 看護学部, 教授 (10320988)
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Keywords | 臨床看護者 / 安楽 / 自己決定 / セルフケアの自律 / 楽 / 心が穏やか |
Research Abstract |
研究目的:看護の本質である「安全」の保障と「自律」への支援の関連性を踏まえた看護実践者の「安楽」の概念を構築することである。 研究方法:今までの質的調査とプレテストの結果から明らかになった看護実践者の「安楽」を構成する「体を楽にする援助」「気持ちを穏やかにする援助」「自己決定への援助」「セルフケア自律への援助」の4つの概念が「安楽」の構成概念として妥当であるかについて調査を行った。期間は平成19年11月〜平成20年1月、対象は3,100名(有効回答1,366名44.1%)。概念毎に質問項目を設け、評点は4段階とした。分析はSPSS VOR15で因子分析を行った。 倫理的な配慮:東京女子医科大学の倫理審査を受けた。 結果及び考察:調査の結果、「安楽」を構成する「体を楽にする援助」「気持ちを穏やかにする援助」「自己決定への援助」「セルフケア自律への援助」の4概念ともα係数は、α>0.80以上であり質問項目の内的整合性による信頼性は確保した。各概念の下位因子の平均は2.08〜3.38、質問項目の最高点は4、最低点は1であった。各下位因子の相関係数r<0.8以上の項目はなく、また、Bartlettの球面性の検定の結果、およびKMO(Kaiser-Meyer-Olkin)値による標本妥当性の測定結果も0.85以上であった。概念毎に探索的因子分析(プロマックス回転)を試みた結果、4つの概念は次の下位因子に分類できた。「体を楽にする援助」は日常生活の調整・痛みの緩和・痛みへの即時的な対応と保障、「気持ちを穏やかにする援助」は、不安な気持ちの支え・環境を整える、「自己決定への援助」は検査や処置の理解への支援・安心を支える、「セルフケア自律への援助」は生活の再構築への支援・日常生活の拡大への援助・自立への支援であった。これらが臨床看護者が考える「安楽」の概念を構成していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)