2008 Fiscal Year Annual Research Report
新卒看護師の看護実践能力育成を支援するe-ラーニングシステム構築の試み
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18592338
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
松田 日登美 The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing, 看護学部, 准教授 (30219638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿原 加代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (30214258)
桂川 純子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (40369608)
渡邉 弥生 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (00460634)
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Keywords | 新卒看護師 / 看護実践能力 / e-ラーニング |
Research Abstract |
今年度は、前年までの研究によって明らかとなった新卒看護師の専門的技術の習得における困難感についての調査結果をふまえ、気管吸引、点滴静脈内注射の教育用コンテンツを制作した。そして、教育ニーズが異なる集団へのコンテンツの配信ができるように修正した、インタラクティブな環境を提供する看護技術教育用システムNursing Support System2.0(以下「NSS2.0」このコンテンツとする)を用いて、コンテンツを配信し、NSS2.0およびコンテンツの具体的な操作性と学習への影響について調査した。 調査は、平成20年10月14日〜平成21年1月28日に行われた。対象者は、平成20年3月に卒業した病院勤務の新卒看護師および私立看護系大学3年生とし、データ収集は、質問紙法により実施した。また、同意が得られた場合に電話によりインタビューを行った。アンケートの項目については、5段階評価で量的に分析し、自由記載については質的に内容を分析をした。本研究は、日本赤十字豊田看護大学倫理委員会の承認を得た。研究参加者は、2名の病院勤務看護師、4名の看護学生であった。質的分析において、NSS2.0の良い点として「時間や場所を限定しない自己学習の可能性」と「NSS2.0学習の効果」が抽出された。問題点および改善点については、「疑問に対する教員の対応」「ビデオ画面の拡大とその効果」「ビデオ画面の構成・内容」が抽出された。 調査結果を踏まえ、システムの修正について検討した。そして、利用者によるコンテンツ閲覧状況の確認、戻るボタンの設置などシステムに機能を追加した。 本研究において、NSS2.0の十分な実証検証を行うことはできなかったが、新卒看護師は、時間や場所を限定しない自己学習のシステムや、実践上の疑問が即座に解消されるような環境を求めていることが明らかとなった。新卒看護師の教育システムの構築は、重要な課題であり、本研究の結果を踏まえて今後の教育活動に活かしていく必要があると考えられた。
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