2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592346
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田淵 紀子 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70163657)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 啓子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60115243)
亀田 幸枝 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40313671)
|
Keywords | 育児 / 困難感 / ハイリスク児 / 母親 / 尺度 / 泣き |
Research Abstract |
1.研究の目的 育児に困難感を示す母親を支援するため、現在開発中の育児困難感尺度を精選し、尺度の実用化を図ることを目的とした。 2.今年度の研究遂行状況と成果 1)"育児困難感"に関する文献検討を行い、育児困難感の記述および近接概念の検討 医学中央雑誌WEB版ver.4、CINAHL、PubMed等から「育児困難感」に類似、または近接する用語をシソーラス用語、MeSHをもとに検索した。入手できた38件の文献の「育児困難感」、「育児困難」、「育児負担感」、「育児ストレス」の記述から検討し、「育児困難感」を以下のように定義した。「育児困難感」とは、母親の育児に対する困難な感情や態度として表れる反応や現象をいい、その要因には、(1)子どもの特性(子ども自身の問題、母親が感じる子どもの扱いにくさや子どもの成長・発育で気になること)、(2)母親の育児対処能力、(3)育児に対する考えや想像していた生活と現実とのギャップ、(4)夜間の授乳や泣きなど母の体調不良の原因となるものの存在、(5)家庭内の調整力低下などに整理された。また「育児困難感」が増強すると、母親の抑うつ的な気分や体調不良、育児に対する困惑・自信のなさなど、育児に向かう気持ちや活力が低下し、自身の対処能力を超える負担感とストレスフルな状態を引き起こす心理的状態・反応をもたらすと説明できた。(2007年3月の日本助産学会(大分)にて、成果発表) 2)ハイリスク児を対象とした調査の実施 全国の病院・診療所情報をもとに、研究同意の得られた61施設のNICUを退院する児((1)在胎週数36週未満、もしくは出生体重2000g未満の低出生体重児で、かつ2週間以上入院,(2)在胎週数、出生時体重に関係なく、疾病等により2週間以上入院)の母親のうち、署名による研究同意の得られた母親を対象として自記式質問紙調査を行ない、分析した。(2006年12月の日本看護科学学会(神戸)にて、成果発表)
|